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多州にわたる冷凍イチゴ関連ノロウイルス大規模食中毒、2012年―ドイツ

(IASR Vol. 35 p. 183-184: 2014年7月号)

2012年9月20日~10月5日にかけて、ドイツで過去最大の食中毒が発生した。原因物質としてノロウイルスが同定された。2つの症例対照研究と2回の調査が3つの異なる連邦州の中学校で実施された。 

ドイツの5州390施設から胃腸炎の症例約11,000例が報告された。主な施設は学校や保育所で、1つの大きなケータリング会社がほぼ独占的に給食を供給していた。2つの解析疫学では、最も可能性の高い因子としてイチゴを含む料理が同定され、オッズ比は2.6~45.4であった。料理はケータリング会社の地域の複数の厨房で調理され、集団発生のピークの2日前に学校で提供されていた。患者の発生したすべての施設では、中国から輸入された同一ロットの冷凍イチゴが使用されていた。アウトブレイクの原因食品は1週間以内に特定され、適時にリコールが行われたために、このロットの総量の半分以上が消費されずに済んだ。この事例は、世界規模で食品が流通する時代に大規模食中毒の発生するリスクを例示している。食の安全を確保するためには、適時のサーベイランスと疫学調査が重要である。


(Euro Surveill.2014;19(8):pii=20719)   
(担当:感染研・金山敦宏)

 

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