国立感染症研究所 感染症疫学センター・同細菌第二部
2018年10月3日現在
(掲載日:2018年11月8日)
百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)の気道感染により、約7~10日間の潜伏期間を経てカタル症状を呈して発症する。その後長く続く咳嗽に加え、連続性の咳嗽発作や咳嗽後の嘔吐、吸気性の笛声(whoop)といった特徴的な症状を呈する。合併症として二次性の肺炎やけいれん、脳症などを合併することがあり、特にワクチン未接種の乳幼児が罹患すると重篤化し易い。新生児やワクチン未接種の乳児が発症すると咳が明確でないまま重篤な無呼吸発作などを起こし、それに伴いチアノーゼやけいれんを認めることがある。呼吸管理のため入院加療となった症例を含む事例や死亡例の情報も報告されてきた1)。