国立感染症研究所

薬剤耐性菌感染症

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Elizabethkingia anophelisクラスターの調査, 2014~2016-米国イリノイ州

(IASR Vol. 38 p.68: 2017年3月号)

Elizabethkingia属菌は環境に存在する多剤耐性グラム陰性桿菌で, 医療関連感染の原因となる。Elizabethkingia anophelis(EKA)は2011年に初めて蚊の中腸から分離同定された。EKAによる医療関連感染では高い発症率と症例致命率(23.5%)が示唆されている。

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多剤耐性Corynebacterium striatumによる弁輪部膿瘍を伴った感染性心内膜炎の1手術症例

(IASR Vol. 37 p.256-257: 2016年12月号)

Corynebacterium striatumによる自己弁心内膜炎が1994年に初めて報告されて以来1),人工弁心内膜炎,ペースメーカーリード関連心内膜炎を含め数例報告されてきた2-5)。本菌は皮膚常在菌のひとつであるが,医療関連感染症の起炎菌となり6),稀ではあるが感染性心内膜炎の起炎菌となる。近年はC. striatum臨床分離株に多剤耐性が多い報告や7),耐性株による感染性心内膜炎症例の報告もあり8,9),注目されている。今回,多剤耐性のC. striatumが起炎菌と考えられる大動脈弁位自己弁感染性心内膜炎の症例を経験したため,ここに報告を行う。

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