(IASR Vol. 38 p.150: 2017年7月号)
ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus: HPV)は感染しても70~90%が無症状で1~2年以内に自然消退する。一般人口でHPVが検出される割合は, 正常子宮頚部11.7%, 男性の陰茎・睾丸・会陰部21.0%と報告されている。しかしHPVは持続感染により20年以上経て浸潤性子宮頸癌の原因となると考えられており, 肛門癌や尖圭コンジローマの原因にもなり得る。HPV関連子宮頚癌は, 2012年には53万例が発生し, 26.6万例が死亡したと見積られている。癌に関連する12の型がハイリスクとされており, 特にHPV-16とHPV-18は子宮頸癌全体の71%に関与していた(HPV-16: 60.6%, HPV-18: 10.2%)。