国立感染症研究所

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愛知県内で初めて検出された重症熱性血小板減少症候群の1例

(IASR Vol. 42 p232-233: 2021年10月号)

 

 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome:SFTS)は, 主にSFTSウイルス(SFTSV)を保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症で, 2013年3月4日から感染症法に基づく4類感染症として診断した医師に届出が義務づけられている。2013年に山口県で国内初症例が発生し1), 国内では4~10月頃に年間数十例の患者届出があり, 2021年6月末の時点で西日本を中心に637症例の届出がある。これまでに本県に隣接する三重県および静岡県で患者発生が確認されており2), 隣接するすべての県(三重, 岐阜, 静岡, 長野)においてマダニからSFTSVが検出されている3)。近県の状況を鑑みると, 本県にSFTSVが侵淫している可能性は極めて高いと推測されていた。今回, 愛知県で初めてSFTSV感染事例が確認されたので報告する。

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