国立感染症研究所

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関東地方で初めて感染が確認された重症熱性血小板減少症候群の1例

(速報掲載日 2021/6/22)(IASR Vol. 42 p150-152: 2021年7月号)
 

 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome: SFTS)は2011年に中国の研究者により世界で初めてSFTSウイルスによるダニ媒介性発熱性感染症として報告され1)、日本でも2013年に山口県で発症したSFTS患者が初めて報告された2)。また近年、イヌやネコといった愛玩動物からの直接感染を疑わせる事例も報告されている3)。日本での流行は静岡県以西の西日本に限局しており、毎年患者が報告されているが、関東地方を感染推定地域とするSFTS患者はこれまで報告されていない。今回、ダニ媒介性リケッチア感染症を疑いながらも診断が付かなかった、いわゆる不明熱患者症例に対して遡及調査を行ったところ、千葉県で初めてSFTSウイルス感染事例が確認されたので報告する。

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