国立感染症研究所

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男性同性愛者間の梅毒およびHIV感染―タイ・バンコク

(IASR Vol. 34 p. 273 : 2013年9月号)

 

シーロム地域診療所(SCC)は男性同性愛者(MSM)の健康に注意を払っているクリニックで、HIVおよび梅毒の検査を無料で提供している。2009年7月からはHIV抗体検査陰性の症例は早期感染の診断のために核酸増幅検査(NAT)も受けることができる。2005~2011年にSCCを受診したMSMは 4,762人(15,219回)であった。HIV検査が初めての者は42.7%と半分以下であった。受診者は2005年の221人(439回)から2011年の1,135人(4,220回)に増加。初回受診でのHIV陽性率は28.3%、梅毒は9.8%。再検査での陽転化から計算した100人/年当たりの罹患率はHIVが6.3、梅毒が3.6。抗体陰性でNATを行った2,736例のうち15例(0.55%)が早期感染陽性であった。HIV陽性であった1,243例中、41.9%はCD4が350/μlを下回り、29.0%は500/μlを超えていた。HIV陽性率は年齢が高いほど大きかった(30歳以上で29.5%、20歳以下で22.8%)のに対して、HIV感染率は若年層がはるかに高かった(30歳以上で3.2に対して、21歳以下で12.2)。有病率も罹患率も、HIVと梅毒ともに年々上昇している。

 

(CDC, MMWR, 62, No.25, 518-520, 2013)

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