国立感染症研究所

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ロタウイルスワクチン導入後の流行株の変化

(IASR Vol. 40 p204-205:2019年12月号)

背 景

A群ロタウイルス(Rotavirus A: RVA)は, 乳幼児の感染性胃腸炎の主な原因ウイルスである。衛生環境によらず世界中に広く分布しているウイルスであり, 5歳までにほぼ100%のヒトがRVAに一度は感染すると考えられている。世界では, 5歳未満児のRVA感染による死亡者数は, 2013年の時点で年間215,000人と推計されているが, その大半はアフリカや東南アジア等の開発途上国で占められている1)。世界で広く利用されているRVAワクチンとしては, 単価のRotarix®(GSK)と5価のRotaTeq®(MSD)があり, いずれも経口の弱毒生ウイルスワクチンである。これらのワクチンの導入により, 5歳未満児の死亡者数は年々減少傾向にある。わが国でも2011年11月にRotarix®, 2012年7月にRotaTeq®が導入されて以降, ロタウイルス胃腸炎の患者数は大幅に減少しつつある2-4)

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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