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海外におけるCOVID-19の流行状況について(2020年6月4日時点)

(IASR Vol. 41 p105-106: 2020年7月号)

2019年12月31日, 中華人民共和国(中国)湖北省武漢市の自治体より, 病因不明の肺炎症例のクラスターの発生が, 世界保健機構(WHO)に報告された。当初は武漢市の海鮮市場が肺炎の発生源と考えられていた。2020年1月7日, 肺炎の病原体として新型コロナウイルスが分離, 同定され, 1月10日, 新型コロナウイルスの全ゲノムシークエンスデータが公開された。その後, 中国国内において症例数が増加し, また他国でもヒト-ヒト感染が確認されたことから, 1月30日, WHOは新型コロナウイルスによる感染症のアウトブレイクが, 国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)であると宣言した。2月11日, 新型コロナウイルス感染症はCOVID-19と命名(2月7日, 国際ウイルス分類委員会にて, 病原体はSARS-CoV-2と命名)された。3月11日, COVID-19患者の急激な増加により, 計114カ国において症例報告数が11万8,000例を超え, また中国での新規報告数が少なくなる一方, 他国が感染拡大の起点となり始めたことから, パンデミック宣言がなされた。現在(6月4日時点), WHOの分類する6地域で, 216カ国においてCOVID-19患者が確認されており, 症例報告数は6,287,771例, 総死亡者数は379,941例である1)。本稿では, 2020年6月4日現在における, WHO6地域でのCOVID-19の流行状況について報告する。

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