(IASR Vol. 42 p112-113: 2021年6月号)
感染症発生動向調査(NESID)のデータから百日咳は小学校低学年に届出数のピークがみられ, 乳幼児は家族内感染により罹患する場合が多いことが全国データから明らかになってきた1)。また, 百日咳は空気感染する疾患ではないにもかかわらず, 麻疹と同等の基本再生産数(R0=12-17)を有する疾患である2)。2019年6月に三重県T市において, 小学校低学年児童の百日咳感染を発端として, 同居家族全員が発症した家族内感染事例を経験したため報告する。