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ペットのマーモセットにおけるヒト単純ヘルペスウイルス感染症の事例

(IASR Vol. 44 p22-23: 2023年2月号)

 
背 景

 単純ヘルペスウイルス属に含まれるヒト単純ヘルペスウイルス(HSV)およびBウイルス(サルヘルペスウイルス)の自然宿主は, それぞれヒトおよびサルであり, ウイルスがヒト-サル間で感染することにより重度の神経症状を発症することが知られている。ヒトのHSV感染では, 口粘膜や性器などに水疱性または潰瘍性の病変を形成し, その後はウイルスが神経節に潜伏感染し無症状となる。ヒト以外の霊長類にもHSVが感染することが報告されており, 特にマーモセットなどの新世界ザル(中南米に生息する霊長類の総称)は感受性が高いと考えられている1)。本稿では, 日本国内の家庭で飼育されていたペットのマーモセットがHSV感染症により死亡した2つの事例について概要を解説する2)

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