(IASR Vol. 43 p34-35: 2022年2月号)
細菌性赤痢(shigellosis)とは, 赤痢菌属Shigella spp.によって引き起こされる急性下痢性疾患である。患者や保菌者の糞便や, 汚染された手指, 食品, 水などを介して経口感染する。赤痢菌は胃酸に抵抗性があり, 10-100個程度の少ない菌量でも感染が成立する。わが国においては, 開発途上国からの輸入例のほか, 国内発生例も報告されている。汚染された食材による感染や性行為による感染が原因と推定されている。性行為では, 肛門を舐めるなどして直接経口感染する可能性や, 肛門周囲や肛門性交で挿入した性器に触れた手指を介して経口感染する可能性が考えられている。