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地方衛生研究所(東京都健康安全研究センター)としての東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会への準備

(IASR Vol. 43 p156-158: 2022年7月号)

 
はじめに

 東京2020大会は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で1年間の延期後, アスリート等および大会関係者は外部との接触機会を極力避ける方式での開催となった。東京都では, 東京2020大会に向け多くの対策を準備し, 地方衛生研究所(地衛研)である東京都健康安全研究センターとしても, 数々の対策を検討してきた。基本的に大規模イベントの感染症対策では, 地衛研への特段の予算措置はない。東京2020大会での対策も例外ではなく, 大会後も活用可能なもの(レガシー)も含め, ほぼ通年通りに予算要求をする中での対策であった。一方で, 2016年頃から厚生労働科学研究等のさまざまな研究活動で東京2020大会の感染症対策が議論・検討され始め, 当センターの職員も参加するようになった。今回, 当センターとしての東京2020大会の感染症にかかわる対策を中心に考えてみたい。

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