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B型肝炎治療薬開発の動向

(IASR Vol.44 p40-42: 2023年3月号)
 
はじめに

B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染に対する抗ウイルス療法として, 本邦では主にインターフェロン(IFN)および, 核酸アナログ(エンテカビル, テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩, テノホビル アラフェナミド)が用いられている。しかし, これらによってウイルスDNAの陰性化および肝炎の沈静化は達成されるものの, ウイルス抗原は多くの場合残り続け, 肝がん進展を完全に阻止できない。また持続感染の原因である核内複製鋳型covalently closed circular DNA(cccDNA)を排除することもできず, 新たな治療法の開発が求められている。本稿ではB型肝炎治療薬開発の現在の動向について述べる。

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