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ジカウイルス感染症:国内における対策

(IASR Vol. 37 p. 129-131: 2016年7月号)

はじめに

ジカウイルス感染症の原因となるジカウイルスは, 1947年にウガンダのジカ森林のアカゲザルから初めて分離された。ジカウイルス感染症は1950年代からアフリカと一部の東南アジア地域におけるヒトでの流行が確認されていたが, 近年その流行地域は, ミクロネシア連邦のヤップ島(2007年), 仏領ポリネシア(2013~2014年), 中南米, カリブ海地域(2015年以降)等に急速に拡大している。さらに世界保健機関(以下, WHOという)は2016年2月1日に緊急委員会を開催し, 小頭症およびその他の神経障害の集団発生に関して「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」を宣言した。本稿では, こうした事態を踏まえたわが国でのこれまでのジカウイルス感染症対策と, 現在および今後の対策について述べる。

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