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COVID-19サーベイランスビッグデータの活用法とその教訓について

(IASR Vol. 44 p108-109: 2023年7月号)
 

世界保健機関(WHO)によれば, 2023年5月7日現在の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の累積患者数が各国の人口の60%を超える国も報告されている1)。再感染などにより複数回の登録が考えられることや, 報告基準が各国で違うことなどを踏まえると, 数字自体の解釈は慎重にする必要があると考えられるが, 世界中で非常に多くの感染者が発生したパンデミックであることには間違いない。日本ではCOVID-19の動向をモニタリングするために新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)が2020年5月~2023年5月までCOVID-19のサーベイランスとして運用された。HER-SYSは医療機関が直接発生届をオンライン入力・登録できること, 疫学調査や健康観察に関する項目などが一元的にデータベース化されたことによって, 届出受理までの時間が短縮されることや対策への支援も期待されて運用され, 2023年5月時点で2,400万件を超える件数が報告されている。

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