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世界的流行が懸念される新型ヒトノロウイルスGII.P17- GII.17の分子進化

(IASR Vol. 38 p.6-8: 2017年1月号)

ヒトノロウイルス(HuNoV)は冬季を中心に流行する感染性胃腸炎の主要な原因ウイルスである。このウイルスは, 遺伝子型が多く存在することに加え, 遺伝子変異や遺伝子組換えによる頻繁な抗原変異を引き起こすため, ヒトの免疫応答を回避して毎年幅広い年齢層に感染を引き起こす。これまでの疫学研究から, 過去10シーズン, 世界で流行している主な遺伝子型はGII.4であることが知られているが, 他の遺伝子型による流行も各地で確認されている1)。一方で, 過去に検出報告がなかったGII.P17-GII.17が2013/14シーズンに探知され, 2014/15シーズンには日本を含むアジア各地で流行を引き起こした2,3)

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