(IASR Vol. 38 p.9-10: 2017年1月号)
感染性胃腸炎の主な原因であるノロウイルス(NoV)は, 遺伝子変異やゲノム組換えによる新しい変異株の出現を繰り返し, 地域流行や世界的な流行を起こしている。特に, 近年, ORF1とORF2のjunction領域で遺伝子組換えを起こした変異株の流行が報告されている。愛媛県では, 2000年以降報告数の少なかったNoV GII.1が2008/09シーズンに多数検出されたことから, 検出されたGII.1について分子疫学的解析を行い, 新しいキメラウイルスを同定したので報告する。