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B型肝炎ワクチンの定期接種について

(IASR Vol. 37 p. 156-157: 2016年8月号)

はじめに

B型肝炎はB型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus: HBV)の感染によって引き起こされ, 感染者が1歳未満の場合90%, 1~4歳の場合は20~50%, それ以上の年齢では1%以下で持続感染状態(キャリア)に移行する1)。そのうち10~15%が慢性肝炎に移行し, さらにそれらの10~15%が肝硬変, 肝がんに進行するとされている1)。またHBVは遺伝子レベルでの分類が行われ, A型~J型まで10種類の遺伝子型(ゲノタイプ)が同定され, この遺伝子型には地域特異性があること, 慢性化率など臨床経過に違いがあることが知られている2)

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