Mycoplasmoides pneumoniae(Mycoplasma pneumoniae: M. pneumoniae)は肺炎マイコプラズマと呼ばれ, マイコプラズマ肺炎の起因菌である。M. pneumoniaeは飛沫感染により体内に侵入すると, 呼吸器の上皮細胞表面で増殖し, 上皮細胞の破壊・炎症を誘導する。マイコプラズマは他の病原性細菌と異なり, 外毒素やプロテアーゼなどの酵素の産生に乏しく, 病原性因子については不明な点も多かったが, 近年解析が進んできている。以下, M. pneumoniaeの病原性因子について解説する(図1)。