日本のHIV感染者・AIDS患者の状況
(平成25年4月1日~6月30日)
(Vol. 34 p. 274-275 : 2013年9月号)
【概要】
1.今回の報告期間は平成25年4月1日~平成25年6月30日までの3か月
2.新規HIV感染者報告数は 294件(前回報告 227件、前年同時期 225件)で、過去2位。そのうち男性 286件、女性8件で、男性は前回(216件) および前年同時期(215件)より増加、女性は前回(11件)および前年同時期(10件)より減少
3.新規AIDS患者報告数は 146件(前回報告 107件、前年同時期 115件)で、過去1位。そのうち男性 143件、女性3件で、男性は前回(105件)および前年同時期(105件)より増加、女性は前回(2件)より増加、前年同時期(10件)より減少
4.HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は440件で、過去1位
【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者報告数:
○同性間性的接触によるものが216件(全HIV感染者報告数の約73%)
○異性間性的接触によるものが48件(全HIV感染者報告数の約16%)。そのうち男性41件、女性7件
○母子感染によるものは0件
○静注薬物によるものは1件(うち、その他に計上されているものが、1件)
○年齢別では、20~30代が多い。
2.新規AIDS患者報告数:
○同性間性的接触によるものが87件(全AIDS患者報告数の約60%)
○異性間性的接触によるものが32件(全AIDS患者報告数の約22%)。そのうち男性31件、女性1件
○母子感染によるものは0件
○静注薬物によるものは1件(うち、その他に計上されているものが、1件)
○年齢別では、50歳以上の報告数が58件と前回(30件)および前年同時期(30件)と比し増加が著しい。
【検査・相談件数の概況(平成25年4月~6月)】
1.保健所におけるHIV 抗体検査件数(速報値)は24,165件(前回報告22,242件、前年同時期26,406件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は 7,142件(前回報告 6,769件、前年同時期 7,405件)
2.保健所等における相談件数(速報値)は32,682件(前回報告33,013件、前年同時期39,393件)
【献血の概況(平成25年1月~6月)】
1.献血件数(速報値)は、 2,611,526件(前年同時期速報値 2,628,553件)
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は37件(前年同時期速報値34件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は、1.417件(前年同時期速報値 1.293件)
《まとめ》
1.新規HIV感染者報告数は過去2位、新規AIDS患者報告数は過去1位、HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告件数は1位であった。特に新規AIDS患者報告例の年齢が上昇傾向にあるが、早期に検査を受け、早期に治療を受けることでAIDSの発症は防ぐことができる。
2.保健所等におけるHIV抗体検査件数は、前回に比し増加、前年同時期に比し減少していた。また、相談件数は、前回および前年同時期に比し減少していた。HIV抗体検査件数は横ばい傾向、相談件数は減少傾向である。
3.早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。
- 感染症法に基づくエイズ患者・HIV感染者情報(平成25年4月1日~6月30日)
- 1. 性別・感染経路別患者/感染者数
- 2. 性別・年齢別患者/感染者数
- 3. 性別・感染地域別患者/感染者数
患者・感染者数の累計(平成25年6月30日現在)
- 都道府県別患者・感染者累積報告状況
- (参考) 献血件数およびHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数 (厚生労働省医薬食品局血液対策課)