O抗原とは?大腸菌の分類方法多様な抗原性を利用して、大腸菌は血清型別により分類される。O抗原とH抗原とが血清型別に用いられ、それぞれの型の組み合わせで大腸菌の血清型が決定される。O型別は菌体の表層にある糖鎖構造が抗原性(人や動物の体内で異物と認識される性質)を有し、また多様であることを利用した分類法である。大腸菌のO抗原はO1からO181まで存在する(O31, O47, O67, O72, O93, O94, O122は欠番となっている)。既知の型のいずれとも一致しないものが見いだされた時に新たに抗血清を得られ、新たな番号が付与される。O157とは大腸菌のO血清群で番号が157番目のもの、ということになる。H型別は、大腸菌の運動器官であるべん毛の抗原性を用いた方法で、H1からH56 (H13, H22は欠番)に分類されている EHECの血清型EHECではO157抗原をもつ大腸菌が多く分離されているが、O157抗原を有する大腸菌が常にVT毒素を産生するEHECであるとは限らない。VT毒素産生性がEHECの病原性に重要である。同様に、O26, O111等の抗原性が直接病原性を表しているわけではない。 |