国立感染症研究所

届出票(全数把握疾患)記入時のお願い、注意点

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診断(検案)した者(死体)の類型:

 初診時に死亡されている方は「感染症死亡者の死体」、「感染症死亡疑い者の死体」のいずれかとなります。初診時に生存されていた方が死亡された場合は「患者(確定例)」(あるいは「疑似症患者」「無症状病原体保有者」)です。

当該者職業:

 診断のみならず公衆衛生対策上も重要な情報となります。公務員、会社員などにとどめず、できる だけ職種(調理師、保育士、医師、ツアーコンダクターなど)を記載してください。

当該者住所と当該者所在地:

 住所は住民登録してある所。所在地は居る場所で、届出を受けた保健所等が連絡のとれる場所(入院中なら病院、帰省中であれば帰省先)です。

症状:

 自覚症状に限らず、他覚症状・所見が含まれます(例えば、肝腫大、肝機能異常値、X-P・内視鏡・超音波検査での異常所見、検便の潜血陽性など)。「その他」には、選択項目以外で重要と思われる症状や、基礎疾患、重複感染症の有無、内服中の薬剤などを記載してください(例えば、コレラでの制酸剤内服中、劇症型溶血性レンサ球菌感染症での妊娠など)。「症状なし」は無症状病原体保有者の扱いとなるものです(一~四類感染症はすべて無症状者も届出対象ですが、五類感染症では後天性免疫不全症候群、梅毒を除き、症状なしの場合は届出対象外です)。

診断方法:

 診断の根拠となったものすべてに○をつけ、必要な内容を記入してください。検査中のものや、陰性結果のものは含まれません(但し、麻しんは、例外的に、陰性結果も含めて記載していただくようになっています)。届出票には届出基準に示された診断方法があらかじめ書かれており、それ以外の方法で診断されたものは、原則、届出対象外となります。新しい検査法など場合によっては対象と判断できる方法もありますので、ご不明な場合には保健所または国立感染症研究所感染症疫学センター(03-5285-1111)にご確認ください。

初診年月日:

 当該疾患の初診日です。それ以前から他疾患で通院中・入院中である場合には、他疾患の初診日としないようご注意ください。

感染したと推定される年月日:

 他の感染者の存在を把握するうえで公衆衛生対策上重要です。問診内容や潜伏期間などから感染機会をできる限り判断して、記入してください。

発病年月日:

 感染性の有る期間の把握や、集団発生時などでの発症曲線の描写などに必要となり、公衆衛生対策上重要です。忘れずに記入してください。なお、何をもって「発病」とするかの規定は定められていませんが、当該疾患の主となる症状が最初に出現した日について記入してください〔例えば、発熱性疾患なら発熱出現日、消化器症状が主たる疾患はそれらの症状(腹痛、下痢など)の出現日〕。

診断年月日:

 届出基準を満たす結果が得られ、診断が確定した日です。

死亡年月日:

 届出後に死亡された場合にも、保健所で追加入力ができるよう、できるだけ保健所にご連絡をお願い致します。

感染原因・感染経路・感染地域:

 集団発生の探知や、拡大・再発防止策など、公衆衛生対策に直結する非常に重要な項目です。問診を含めた診察結果からできるだけ記載をお願いします。不明としか判断できない場合には、その他(   )に(不明)と記載してください。

 なお(確定・推定)の判断基準は示されていないので、状況により判断してください。

  1. 感染原因・感染経路:それぞれ選択された項目の詳細内容(例えば、経口感染では飲食物の種類・状況、利用した飲食店など)をできるだけ具体的に記入してください。
  2. 感染地域:詳細地域・場所(わかる場合には施設名なども)をできるだけ具体的に記入してください。複数の地域が考えられる場合などには、潜伏期間や現地の流行状況なども考慮して判断してください。渡航先や国内旅行先などでは、感染地域への滞在期間も問診し、把握できれば記入してください。
その他感染症のまん延の防止及び当該者の医療のために医師が必要と認める事項:

 例えば、集団発生の可能性に関する情報、家族や接触者調査の必要性などの保健所へのアドバイス、入院の必要性や重篤度など、他の項目にかけなかった事項などを積極的に記入してください。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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