国立感染症研究所 免疫部長 小林 和夫

平成21年6月22日
免疫部
小林和夫(内線2102)
 

infection and defence

   世界の年間総死亡者数(2008)は約5,900万人、その内訳として、循環器疾患:1,800万人、感染症:1,600万人、悪性新生物:810万人であり、感染症は総死亡の27%を占め、人類に甚大な健康被害を招来しています(World Health Organization, The global burden of disease)
   感染症は1)社会的:人口の集中/都市化、移民、貧困、行政対応の不備/軽視、2)宿主的:免疫学的弱者の増加、3)病原体:病原性の変化、薬剤耐性病原体の出現などの要因により増加しています。感染症の脅威に対し、世界保健機関(WHO)は感染症のビッグスリーであるヒト免疫不全ウイルス感染症/後天性免疫不全症候群(年間死亡者数:224万人)、結核(175万人)およびマラリア(84万人)に対し緊急事態を宣言しています。
   国立感染症研究所免疫部は感染(症)、すなわち、病原体―宿主関係を宿主応答の視点から制圧研究を展開し、感染症対策の免疫学的診断・治療・予防に寄与すること、また、厚生労働省の行政施策に科学的根拠を提供し、国民および世界人民の衛生の向上を目標に研究や業務を推進しています。免疫部・研究室で得られた成果が人類の健康保持・増進、さらに、患者さんに反映すること(細胞、分子、遺伝子<->人間、そして、研究室<->臨床)、究極的に基礎臨床医学の双方向的橋渡し研究(translational research)を推進しています。

研究・業務内容

  • 感染症における病態の理解や宿主免疫応答機構の解明
  • 免疫学的診断・治療・予防方法の開発
  • ワクチンなど生物製剤の奏効機序、安全性や品質管理に関する研究
  • 所内外横断的協力体制の構築
  • 感染症危機管理への対応
  • 国際化へ対応(国際協力)や研修
  • 所内外と連携による人材育成
 
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03-5285-1111(代表)より内線2102にご連絡ください

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