A群溶血性レンサ球菌(group A Streptococcus: GAS, Streptococcus pyogenes)による感染症は, 咽頭炎や猩紅熱, 蜂窩織炎や肺炎, 菌血症など重症度は様々である。GASによる感染症のサーベイランス対象疾患は各国で異なる1)。海外では, 猩紅熱と侵襲性GAS(invasive GAS: iGAS)感染症を対象としていることが多いが, 日本ではGAS咽頭炎および劇症型溶血性レンサ球菌感染症(Streptococcal toxic shock syndrome: STSS)がそれぞれ5類小児科定点把握疾患および5類全数把握疾患と定められている2)。STSSにはGAS以外のβ溶血性レンサ球菌によるものも含まれている。