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麻疹含有ワクチン接種率調査(2008~2013年度の推移)

(IASR Vol. 36 p. 62-64: 2015年4月号)

麻疹と風疹の予防接種はそれぞれ1978年度と1977年度に定期接種に導入され、2006年度から麻疹風疹混合ワクチン(以下、MRワクチン)が使用可能となった。また、2006年6月2日から1歳児(第1期)と5歳以上7歳未満で就学前1年間の幼児(6歳になる年度:第2期)に対する2回接種制度が始まった。

しかし、2007年に10~20代を中心とする大規模な麻疹の国内流行が発生し、2007年12月28日に「麻しんに関する特定感染症予防指針(以下、指針)」が告示された。10代への免疫強化を目的として、2008~2012年度までの5年間の措置として、中学1年生(第3期)と高校3年生相当年齢の者(第4期)への2回目の予防接種が定期接種化された。また、2011年5月20日~2012年3月31日については、高校2年生相当年齢も第4期の前倒しとして定期接種で受けられることになった。麻疹ワクチン、風疹ワクチンの選択も可能であるが、原則として、使用するワクチンはMRワクチンである。

2012年12月14日に改訂された指針では、第3期と第4期の定期接種は終了するものの、第1期と第2期の接種率はそれぞれ95%以上を目標とし、2015年度までに麻疹を排除し、世界保健機関(WHO)の認定を受けて、その後も排除状態を維持することが目標に定められた。

接種率を迅速に公表し、積極的な勧奨に繋げていくことが重要として、厚生労働省健康局結核感染症課では2008年度から毎年2~3回、全国の都道府県の協力により接種率調査を実施している。調査結果は、国立感染症研究所感染症疫学センターで集計後、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会ならびに同基本方針部会で審議された後、厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/hashika.html と国立感染症研究所 http://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles/221-infectious-diseases/disease-based/ma/measles/550-measles-vac.htmlのホームページに都道府県別、市区町村別に公表されている。

1)第1期(1歳児):2013年度の接種率は95.5%で)あり、2010年度から4年連続して、目標の95%以上を達成した。しかし、2013年度は2012年度より2ポイント接種率が低下し、接種率95%以上を達成した都道府県の数は27都県となり、2012年度の43都道府県から大幅に減少した(図:左上)。第1期の接種率は極めて重要であることから、一層の接種勧奨が必要である。

2)第2期(5歳以上7歳未満:小学校入学前1年間):2013年度の接種率は93.0%であり、2012年度の93.7%より0.7ポイント低下した。目標の95%以上は達成されていない。95%以上の接種率を達成していたのは熊本県、秋田県、新潟県、青森県、香川県、群馬県、石川県、山形県の8県であり、東京都・鹿児島県・沖縄県の3都県では80%台であった(図:右上)。保健所・医療機関に加えて、保育所・幼稚園・小学校でも積極的な勧奨が必要である。

3)第3期(中学1年生):5年間の時限措置は2012年度で終了した。目標の95%以上は達成できなかったが、接種率は年々上昇した。富山県と茨城県は5年間連続して95%以上の接種率を達成した(図:左下)。

4)第4期(高校3年生相当年齢の者、2011年度のみ高校2年生相当年齢を含む):5年間の時限措置は2012年度で終了した。目標の95%以上は達成できなかったが、第3期と同様に、接種率は年々上昇した。山形県と福井県は5年間連続して90%以上の接種率を達成した。神奈川県は5年間連続して75%未満の接種率であった(図:右下)。

5)都道府県別麻疹含有ワクチン未接種者数(2013年度):第1期は1,004,521人が接種して、47,043人が未接種であった。第2期は1,024,753人が接種して、77,547人が未接種であった。未接種者が多かったのは東京都、大阪府、神奈川県、愛知県、埼玉県の5都府県であり、大都市圏に未接種者が多く残された。

 麻疹排除の状態を維持していくには、2回の接種率をそれぞれ95%以上に維持することが重要である。

 

国立感染症研究所感染症情報センター 多屋馨子 佐藤 弘 大石和徳
厚生労働省健康局結核感染症課

 

 

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