国立感染症研究所

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<通知>指定保育士養成施設の保育実習における麻しん及び風しんの予防接種の実施について

(IASR Vol. 36 p. 134-135: 2015年7月号)

雇児保発0 4 1 7 第1 号
平成27年4月17日
  都道府県
各 指定都市 民生主管部(局)長 殿
  中 核 市
  
厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課長
(公 印 省 略)
 

保育施策の推進については、日頃より格別のご尽力を賜り厚く御礼申し上げます。

指定保育士養成施設の保育士養成課程として行われる保育実習の実施に当たっては、学生を受け入れる保育所等に入所する乳幼児等が、感染症に感染しないよう配慮することが重要です。

特に、感染力が強く罹患すると重症化するおそれのある麻しんや、抗体を保有していない妊娠20 週頃までの妊婦が感染すると、先天性風しん症候群の児が生まれる可能性がある風しんへの対策として最も有効なのは、その発生の予防であり、未罹患で、かつ、麻しん及び風しんの予防接種を接種していない学生に対しては、予防接種の推奨を行うことが有効です。

麻しんに関しては、「麻しんに関する特定感染症予防指針」[平成19 年厚生労働省告示第442 号。別紙1参照(略)。]第三の四の4において、「医療・福祉・教育に係る大学及び専修学校の学生及び生徒に対し麻しんに罹患すると重症化しやすい者と接する可能性がある実習があることを説明し、当該学生及び生徒の罹患歴及び予防接種歴の確認並びに未罹患であり、かつ、麻しんの予防接種を必要回数である2回接種していない者に対する予防接種を推奨する」こととしています。

また、風しんに関しても、「風しんに関する特定感染症予防指針」[平成26 年厚生労働省告示第122 号。別紙2参照(略)。]第三の四の9において、「医療・福祉・教育に係る大学及び専修学校の学生及び生徒に対し、幼児、児童、体力の弱い者等の風しんに罹患すると重症化しやすい者や妊婦と接する機会が多いことを説明し、当該学生及び生徒の罹患歴及び予防接種歴を確認し、いずれも確認できない者に対して、風しんの抗体検査や予防接種を推奨する」こととしています。

ついては、麻しん及び風しんの予防接種について、下記を踏まえ、適切にご対応いただくよう、管内の指定保育士養成施設に周知願います。

なお、本通知は地方自治法(昭和22 年法律第67 号)第245 条の4第1項に規定する技術的助言として発出するものであることを申し添えます。

 
 

1.麻しんの予防接種について
 (1)指定保育士養成施設における学生に対する麻しんの罹患歴及び予防接種歴の確認等
    指定保育士養成施設に在学し、保育実習を受けようとする学生(以下「実習生」という。)について、実習生の過去の麻しん罹患歴及び 予防接種歴を確認した結果、過去に罹患したことがない者であって、麻しんの予防接種が未接種(接種歴及び罹患歴が不明なものも含む。以下同じ。)又は1回のみ接種した者(以下「麻しん抗体要確認者」という。)であった場合、当該者に対し、麻しんの性質等を十分に説明し、以下の(2)及び(3)のとおり抗体検査又は予防接種を受けさせることが望ましいこと。

(2)麻しん抗体要確認者が抗体検査を受けた場合の取扱いについて
 ①麻しん抗体要確認者が抗体検査を受けた結果、抗体が確認できなかった場合は、当該者に対し、予防接種を受けさせることが望ましいこと。

 ②麻しん抗体要確認者のうち過去の予防接種歴が未接種であった者については、上記①の予防接種後、再度抗体検査を受けるか又は予防接種を再度受けさせることが望ましいこと。

 ③上記②の場合において、抗体検査の結果、抗体が確認できなかった場合は、再度予防接種を受けさせることが望ましいこと。

 ④抗体検査の結果、抗体が確認できた者及び上記①から③を行った者については、保育実習を履修しても差し支えないものであること。

(3)麻しん抗体要確認者が抗体検査を受けずに予防接種を受けた場合の取扱いについて
 ①抗体検査を受けずに予防接種を受けた麻しん抗体要確認者のうち、予防接種歴が今回接種分を除いて1回受けている場合(計2回受けている場合)は、保育実習を履修して差し支えないものであること。

 ②抗体検査を受けずに予防接種を受けた麻しん抗体要確認者のうち、予防接種歴が今回接種分を除いて未接種の者については、上記(2)の②及び③による取扱いを行うことを推奨する。なお、当該取扱いを行った者については、保育実習を履修して差し支えないものであること。

2.風しんの予防接種について
(1)指定保育士養成施設における学生に対する風しんの罹患歴及び予防接種歴の確認等
実習生について、風しん罹患歴及び予防接種歴を確認し、過去に罹患したことがない者であって、風しんの予防接種が未接種(接種歴及び罹患歴が不明なものも含む。以下同じ。)の者(以下「風しん抗体要確認者」という。)であった場合、当該者に対し、風しんの性質等を十分に説明し、以下の(2)及び(3)のとおり抗体検査又は予防接種を受けさせることが望ましいこと。

(2)風しん抗体要確認者が抗体検査を受けた場合の取扱いについて
  ①風しん抗体要確認者が抗体検査を受けた結果、抗体が確認できなかった場合は、当該者に対し、予防接種を受けさせることが望ましいこと。

 ②上記①の予防接種後、再度抗体検査を受けるか又は予防接種を再度受けさせることが望ましいこと。

 ③上記②の場合において、抗体検査の結果、抗体が確認できなかった場合は、再度予防接種を受けさせることが望ましいこと。

 ④抗体検査の結果、抗体が確認できた者及び上記①を行った者については、保育実習を履修しても差し支えないと考えるが、上記②及び③による取扱いを行うことを推奨する。

(3)風しん抗体要確認者が抗体検査を受けずに予防接種を受けた場合の取扱いについて
抗体検査を受けずに予防接種を受けた風しん抗体要確認者については、保育実習を履修して差し支えないと考えるが、上記(2)の②及び③による取扱いを行うことを推奨する。

3.留意事項
(1)上記1及び2のいずれにおいても、予防接種後、抗体検査により抗体の有無を確認する場合は、予防接種後から抗体検査を受けるまで2~4週間以上の間隔をあけることが望ましいこと。

(2)予防接種に当たっては、原則、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を接種すること。

(3)予防接種を2回受ける場合は、1回目の予防接種後、2回目の予防接種までに少なくとも27日以上間隔をあけること。

(4)市町村によっては、保健所等において抗体検査を無料で受けられる場合があるので、実習生に対し住所地の自治体に確認するよう周知願いたい。

 

厚生労働省 雇用均等児童家庭局 保育課 保育士対策係
   TEL :03-5253-1111(内線7958)
   FAX :03-3595-2674

 

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