
日本のHIV感染者・AIDS患者の状況
(平成25年9月30日~12月29日)
(Vol. 35 p. 82-84 : 2014年3月号)
【概要】
【感染経路・年齢等の動向】
【検査・相談件数の概況(平成25年10月~12月)】
2.保健所等における相談件数(確定値)は43,077件(前回報告31,843件、前年同時期33,820件)
【献血の概況(平成25年1月~12月)】
1.献血件数(速報値)は、5,205,819件(前年同時期速報値5,271,103件)
2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は63件(前年同時期速報値68件)。10 万件当たりの陽性件数(速報値)は、1.210件(前年同時期速報値1.290件)
《まとめ》
1.前回に比し、新規HIV感染者報告数は増加し、新規AIDS患者報告数は横ばいであった。
2.前回および前年同時期に比し、保健所等におけるHIV抗体検査件数、相談件数ともに大幅に増加した。
検査・相談件数増加要因としては、12月1日の世界エイズデーにあわせた各自治体のイベント検査による増加、輸血によるHIV感染報道の影響が考えられる。
3.早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、今後も保健所等の無料・匿名HIV抗体検査および相談を積極的に利用していただきたい。
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが760件(全HIV感染者報告数の約71%)
○異性間性的接触によるものが189件(全HIV感染者報告数の約18%)
○静注薬物によるものは7件(うち、その他に計上されているものが6件)
○母子感染によるものは1件
○年齢別では、特に20~30代が多い 。
【検査・相談件数の概況(平成25年1月~12月)】
《まとめ》
1.平成25年は速報値ではあるが、ここ数年間、新規HIV感染者と新規AIDS患者を合わせて約1,500件の報告があり、横ばい傾向のまま高止まりしている。
2.年齢別の新規HIV感染者報告数は、特に20~30代で多く、感染経路として同性間性的接触の割合が最も高い。
3.新規HIV感染者および新規AIDS患者報告数の合計は、ここ7年間で1万件以上報告されており、累積では、22,971件の報告がある。
4.検査を受け、早期に治療を始めることでAIDSの発症を防ぐことが出来る。新規AIDS患者報告例の年齢ピークが30代から40代へと上昇傾向を示し、40歳以上が約63%を占めている。また、新規HIV感染者・新規AIDS患者報告数に占める新規AIDS患者報告数の割合は依然として30%を超えたまま推移している。以上から、検査は未だ十分行き届いていないと考えられる。
5.平成22年以降、保健所等におけるHIV抗体検査件数はゆるやかではあるが増加傾向を示しているものの、相談件数は減少傾向を示しており、社会のHIVへの関心の低下が懸念される。
6.速報値ではあるが、献血における10万件当たりの陽性件数は減少傾向であった。
7.国民の皆様には、積極的にHIV検査を受けていただきたい。自治体におかれては、エイズ予防指針を踏まえ、引き続き利便性に配慮した検査相談体制を推進していただきたい。
- 感染症法に基づくエイズ患者・HIV感染者情報(平成25年9月30日~12月29日)
- 1. 性別・感染経路別患者/感染者数
- 2. 性別・年齢別患者/感染者数
- 3. 性別・感染地域別患者/感染者数
患者・感染者数の累計(平成25年12月29日現在)
- 都道府県別患者・感染者累積報告状況
- (参考) 献血件数およびHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数 (厚生労働省医薬食品局血液対策課)