IASR-logo

レジオネラ症 2013~2023年

(IASR Vol. 45 p107-109: 2024年7月号)
 

レジオネラ症は細胞内寄生性のグラム陰性桿菌であるレジオネラ属菌(Legionella spp.)による経気道感染でおこる。感染のリスク因子として, 年齢(50歳以上), 慢性呼吸器疾患, 喫煙, 免疫不全等がある。原則としてヒトからヒトへの感染はない。レジオネラ肺炎に特有な症状はないため, 症状のみでは他の肺炎との鑑別は困難である。治療には, キノロン系やマクロライド系の抗菌薬が使用される。適切な抗菌薬の投与がない場合, 急速に全身症状が悪化することがある(本号4ページ)。レジオネラ属菌は, 水中や湿った土壌中等でアメーバ等の原生動物を宿主として存在し, 20-45℃で繁殖し, 36℃前後で最もよく繁殖する。エアロゾルが生じる人工水系で適切な衛生管理が行われていないと, 生物膜が形成され, 本菌が増殖し, 感染リスクが生じる。本特集では2013~2023年のデータをまとめた。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan