アタマジラミの駆除剤抵抗性についての全国調査結果
2012年7月11日
昆虫医科学部第三室
国立感染症研究所昆虫医科学部では,2006年から2011年までの6年間にわたり,アタマジラミ駆除剤(スミスリン)抵抗性の全国調査を行ってまいりました。
これは,死んだアタマジラミから抵抗性に係わる遺伝子を検出する方法に基づく調査です.
その結果,下表1および2に示すように,全国の医療機関(沖縄県を除く)で採取された試料からは抵抗性遺伝子をもつコロニー(コロニーとは1人の患者さんから採取したシラミのこと)の割合が5.0%でした.
一方,沖縄県で採取されたアタマジラミの多く(95.9%)から抵抗性遺伝子が検出されました。
また,過去6年間で,抵抗性遺伝子保有コロニー率に顕著な増減の傾向は認められませんでした。
本調査に基づく研究成果は,学術論文として近々発表する予定でおりますが,その概要は「厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症研究事業)分担研究2011年度報告書 」のダウンロードによりご覧いただけます。
2期にわたる研究事業期間を終えた今,わが国におけるアタマジラミ駆除用新規薬剤の導入の必要性を訴求することにつき一定の役目が果たせたと考え,これをもちまして全国調査を一旦終了することといたしました。
これまで試料提供にご理解とご協力をいただきました医療機関,都道府県衛生研究所,保健所の皆さま,ならびに保護者の皆さまに,厚く御礼申し上げます。
調査結果(抜粋)
表1 試験数に占める抵抗性コロニーの年次推移(2006~2011年)
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![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/headlice/table1.png)
保護者提供のアタマジラミや沖縄県由来のアタマジラミは抵抗性の割合が高いことから,分けて算出してあります.
保護者提供以外のアタマジラミは主に皮膚科医もしくは保健所を通じて入手しました.
表2 都道府県別の試験数(=コロニー数),抵抗性数および抵抗性率(2006~2011年)
![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/headlice/prefecture.png)
アタマジラミに関する資料 (各項目をクリックするとPDFが開きます)
<厚生科学研究成果報告書>
![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/pdf_logo.jpg)
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<アタマジラミ対応マニュアル>
![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/pdf_logo.jpg)
(豊島区池袋保健所作成,2007年)
![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/pdf_logo.jpg)
(豊島区池袋保健所作成,2008年)
<アタマジラミの駆除剤抵抗性に関する総説>
![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/pdf_logo.jpg)
![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/pdf_logo.jpg)
<その他,アタマジラミに関する論文,書籍>
![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/pdf_logo.jpg)
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![](https://www0.niid.go.jp/niid/entomology/pdf_logo.jpg)
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