国立感染症研究所

 

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2024年に北海道で報告された複数のダニ媒介脳炎症例について

(IASR Vol. 45 p174-176: 2024年10月号)
 
はじめに

ダニ媒介脳炎(Tick-borne encephalitis: TBE)は, TBEウイルス(TBE virus: TBEV)の感染によって起こるダニ媒介感染症である。感染後, 7~14日の潜伏期間を経て, 発熱や頭痛等の感冒様症状から痙攣や麻痺等の中枢神経症状を呈する。特異的な治療法はなく, 高い致命率と重度の障害を残す疾病である。TBEは, 世界では欧州を中心とした流行があるが, 日本では2018年までに北海道で5例報告されているのみであった1)。しかし, 本年6月および7月に道内でTBEの新たな症例が2例発生した。本稿では, これらの概要について報告する。

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