厚生労働省発「A型肝炎発生届受理時の検体の確保等について」(平成22年4月26日健感発第0426第2号、食安監発0426第4号)に基づき、協力施設(下記参照)から当室に送付された検体または配列情報について分子疫学調査を実施しています。
主要流行株について(詳細:病原体微生物検出情報(IASR)Vol. 40 No. 9, 2019年9月発行)
・JP-HAV17 (Accession No. LC415417):
この株の感染経路は汚染食品の摂取と推定された。長野県での小規模流行では、JP-HAV17株が検出された患者が喫食したものと同ロットの輸入冷凍アサリから同一株のウイルスが検出された(Tsukada R. et al. Jpn J Infect Dis. 2019. 72. 44-48)。
・JP-HAV18 (Accession No. LC777400):
この株は、台湾(2015-2016年)やヨーロッパ(2016-2017年)で男性同性間性的接触者(men who have sex with men: MSM)間で発生したA型肝炎流行株と遺伝子配列が同一であった。本邦での流行も、例年より男性患者の割合が高いことが特徴で、多くが男性同性間での性的接触を感染経路と報告している。汚染食品による感染経路を報告する患者は少なかった。急激な患者数の増加は都市部で顕著であった。
・JP-HAV19 (Accession No. LC777714):
2018年12月から2019年2月にかけて主に東北地方で検出された。この期間に急激な検出数の増加が見られ、一時的な流行を示していた。患者の大多数は食品媒介の感染経路を報告していたが、原因食材の特定には至らなかった。
ご協力頂いた施設一覧 |
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北海道立衛生研究所 |
藤沢市保健所 |
姫路市環境衛生研究所 |
広島市衛生研究所 |
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広島市保健所 |
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横浜市衛生研究所 |
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新潟市衛生環境研究所 |
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福岡市保健環境研究所 |
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