5.持続感染

 

 HBVの持続感染の多くは出生時又は乳幼児期の感染によって成立します。持続感染者の大部分はHBVを体内に保持していますが、肝機能正常なHBe抗原陽性の無症候性HBVキャリアとなり、その後免疫能が発達するに従い、顕性又は不顕性の肝炎を発症します。そのうちの約90%はセロコンバージョン(HBe抗原の陰性化、HBe抗体の陽性化)を経て再び無症候性キャリアへと移行します5)(図2)。しかし、約1015%の人は慢性肝疾患(慢性肝炎・肝硬変・肝がん)へ移行すると考えられています。

 

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