●家庭医向け;E型肝炎
 HEVのウイルスゲノムは1989年、HCVとほぼ時期を同じくして同定されました。直径約30nmのウイルス外被を持たない小型のRNAウイルスです。患者あるいは感染サル糞便を用いた免疫電子顕微鏡では27-34nmの粒子として観察されます。HEVゲノムは約7.2kbのプラス一本鎖RNAで3’末端にポリアデニル基を持っています。この中には、5’末端からORF1, ORF3, ORF2の順にORFが一部重複しながら配列しています。ORF1は非構造蛋白質をコードし、N末端側からメチルトランスフェラーゼ、システインプロテアーゼ、RNAヘリカーゼ、RNA依存RNAポリメラーゼのモチーフがあります。ORF2は構造蛋白をコードしています。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan