臨床症状

 急性B型肝炎は比較的緩徐に発病する。微熱程度の発熱、食欲不振、全身倦怠感、悪心・嘔吐、右季肋部痛、上腹部膨満感などの症状がみられ、引き続き黄疸が認められるようになる。黄疸が出現するのは成人例で3050%、小児例では10%以下である。重症例を除いて、これらの症状は一ヶ月程度で回復する。また前述のように、宿主の免疫能に異常がなければ以上の過程でHBVは生体から排除され、キャリア化することはない。しかし、免疫能の不十分な乳幼児、宿主の免疫能が低下した病態、免疫抑制剤の投与を受けている場合などの感染においては、キャリア化へ移行する例が存在する。

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