国立感染症研究所

掲載日:2023年8月4日

第124回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和5年8月4日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第124回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況や医療提供体制の状況等

  • 新規患者数は、4月上旬以降緩やかな増加傾向となっており、5類移行後も11週連続で増加が継続し、直近では全国の定点当たり報告数が15人を超えた。
     (全国の7/24~7/30の定点当たり15.91人、前週比1.14)
  • 地域別の新規患者数は、42都府県で前週より増加傾向にある。沖縄県では7月上旬以降、減少傾向がみられる。
     (沖縄県の7/24~7/30の定点当たり17.59人、前週比0.78)
  • 全国の年代別新規患者数は、10歳代を除きすべての年代で前週より増加傾向にある。
  • 変異株の発生動向について、XBB系統の割合が大部分を占めており、XBB.1.9系統は横ばい、XBB.1.16系統及びXBB.2.3系統は増加傾向、XBB.1.5系統は減少傾向となっている。
  • 新規入院者数や重症者数は、いずれも増加傾向だが、特に7月中旬以降、重症者数が増加している(直近のデータほど過小評価となっている点に留意が必要) 。
  • 医療提供体制の状況について、全国的なひっ迫はみられないが、在院者数は増加傾向にある。沖縄県では、在院者数は減少傾向にある。
  • 救急医療について、救急搬送困難事案数はコロナ疑い、非コロナ疑いともに増加が継続している傾向にある。
  • 夜間滞留人口について、5類移行後において、全国的に大きな増加はみられていない。

今後の見通し

  • 過去の状況等を踏まえると、この夏の新規患者数の増加が継続する可能性があり、医療提供体制への負荷を増大させる場合も考えられる。
  • 自然感染やワクチン接種による免疫の減衰や、より免疫逃避が起こる可能性のある株の割合の増加、また、夏休み等による 今後の接触機会の増加等が感染状況に与える影響についても注意が必要。

今後の取組

  • 引き続き、感染動向等を重層的に把握するとともに、全国の医療提供体制を注視していく。
  • 地方自治体や医療関係者などと連携して、高齢者や基礎疾患を有する方など重症化リスクの高い方等について、ワクチン接種を行うとともに、感染拡大が生じても必要な医療が提供されるよう、幅広い医療機関で新型コロナ患者に対応する医療体制への移行を引き続き進めていく。
  • 特に換気には配慮し、マスクの効果的な場面での着用、手洗いなど、基本的な感染対策に関する広報を引き続き強化していく。

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