発生動向総覧
    


〈第6週コメント〉 2月15日集計分

全数報告の感染症

注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。

*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。


定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)

全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。

過去5年間の同時期との比較

インフルエンザ: 定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では大分県(60.88)、石川県(53.92)、岩手県(52.63)、宮崎県(52.15)、鹿児島県(52.09)、埼玉県(50.04)、秋田県(50.00)が多い。

小児科定点報告疾患RSウイルス感染症の報告数は1,393例と第51週以降減少が続いている。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約76%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では新潟県(0.73)、佐賀県(0.70)、福岡県(0.60)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では富山県(5.59)、大分県(5.25)、福井県(4.95)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では大分県(18.1)、福井県(14.1)、宮崎県(11.9)が多い。水痘の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では宮崎県(2.78)、佐賀県(2.52)、徳島県(2.48)が多い。手足口病の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では滋賀県(0.84)、富山県(0.69)、石川県(0.62)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では鳥取県(1.16)、長野県(0.76)、島根県(0.57)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では高知県(0.13)、沖縄県(0.12)、広島県(0.06)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は増加した。都道府県別では徳島県(0.09)、岩手県(0.08)、高知県(0.07)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では鳥取県(1.47)、徳島県(1.35)、新潟県(1.27)が多い。

基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(3.43)、青森県(2.67)、栃木県(2.57)が多い。

〈1月コメント〉
◆性感染症について  2012年2月10日集計分 性感染症定点数:963
     
(産婦人科・産科・婦人科:462、泌尿器科:405、皮膚科83、性病科13)

●月別推移
 2012年1月の月別定点当たり患者報告数は、性器クラミジア感染症が1.92(男0.94、女0.98)、性器ヘルペスウイルス感染症が0.74(男0.31、女0.43)、尖圭コンジローマが0.44(男0.25、女0.20)、淋菌感染症が0.87(男0.67、女0.19)であった。男性では性器クラミジア感染症、次いで淋菌感染症が多く、女性では性器クラミジア感染症、次いで性器ヘルペスウイルス感染症が多かった(図1)。

過去5年間の同時期との比較

●男女別・年齢階級別
 年齢群別(0歳、1~4歳、5~69歳は5歳毎、および70歳以上)でみた定点当たり報告数のピークは、男性では、性器クラミジア感染症は25~29歳の年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は35~39歳の年齢群、尖圭コンジローマは25~29歳の年齢群、淋菌感染症は25~29歳の年齢群であった。女性では、性器クラミジア感染症は20~24歳の年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症は25~29歳の年齢群、尖圭コンジローマは20~24歳の年齢群、淋菌感染症は20~29歳の2つの年齢群であった(図3:PDF参照)。男女ともに4疾患すべてで15~19歳の年齢群の報告があり、また男性の尖圭コンジローマ、女性の性器クラミジア感染症で10~14歳の年齢群の報告があった。また、性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、淋菌感染症の3疾患の報告は、男性では60代以上は僅かであり、女性では50代以上は僅かである。しかし、性器ヘルペスウイルス感染症は男女ともに、50代以降の報告も少なくない。この年齢層は再発例が含まれている可能性が以前から指摘されており、2006年4月の届出基準改正により、抗体のみ陽性のものの除外に加えて「明らかな再発例は除外する」ことが明示された。しかし、年齢群分布においての明らかな変化は見られておらず、この基準の周知徹底とともに、遵守されているかの検討なども今後必要と考える。

 年齢群毎にみた定点当たり報告数の男女の比較では、性器クラミジア感染症では15~29歳の3つの年齢群、性器ヘルペスウイルス感染症では15~34歳、40~44歳、70歳以上の6つの年齢群、尖圭コンジローマでは15~24歳の2つの年齢群という比較的低い年齢層を中心に女性が男性より多く、他の年齢群は同値あるいは男性が多かった。淋菌感染症ではすべての年齢群で男性が女性より多かった。ただし、性感染症定点は泌尿器科系、婦人科系および皮膚科系などの診療科から構成されており、男女の比較については各地域におけるそれらの比率等の影響を受ける可能性がある。

●若年齢層での推移
 感染症法が施行された1999年4月以降について、若年層(15~29歳)における各疾患の定点当たり報告数を男女別・月別に(図4:PDF参照)に示した。性器クラミジア感染症は男性では2003年以降減少傾向がみられた後、2009~2010年はほぼ横ばいで推移したが、2011年以降は再び減少している。女性では2003年以降減少傾向がみられていたが、2011年以降は横ばいである。性器ヘルペスウイルス感染症は男性では2007年以降微減傾向がみられた後、2010年以降はほぼ横ばいで推移している。女性では2006年以降微減傾向がみられたが、2010年にやや増加した後、2011年以降は再び減少している。尖圭コンジローマは男女共に2006年以降微減傾向がみられたが、男性では2011年以降はほぼ横ばいで、女性では2010年以降はほぼ横ばいで推移している。淋菌感染症は男性では2003年以降減少傾向がみられ、2010年に増加傾向がみられたが、2011年以降は再び減少している。女性では2004年以降微減傾向がみられた後2007年以降は横ばいで推移していたが、2011年以降は微増している。前月との比較では、男性では性器クラミジア感染症で減少、性器ヘルペスウイルス感染症で同値、尖圭コンジローマで同値、淋菌感染症で増加であった。女性では性器クラミジア感染症で減少、性器ヘルペスウイルス感染症で増加、尖圭コンジローマで増加、淋菌感染症で増加であった。

 


2012年6週(第6号)*1月報含む

* ダウンロード(48p/1.2MB)

(2月6日~2月12日)発生動向総覧インフルエンザ/病原体情報(麻疹ウイルス)/速報-渡航歴の無い小児および家族内感染者からのD8型麻疹ウイルス検出-愛知県〔2012年2月24日発行〕

食品媒介胃腸炎集団発生事例

週別

    2023&2024年

アーカイブ

2023年以前

 

病原体検出情報速報グラフ・集計表のURL変更について(2022年12月16日)

詳しく読む

政府共通プラットフォームへの移行にともない、病原体検出情報の速報グラフ・集計表のURLが変更されています。本サイトに掲載されている自動更新のグラフ・集計表は変更後のURLへの置き換えが完了していますが、ブックマークなどで個々のグラフ・表へのリンクをご利用いただいている場合は、お手数ですが以下のように変更をお願いいたします。
旧 https://nesid4g.mhlw.go.jp/ 
 新 https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/ 

2022年12月16日 IASR事務局

*データは、地方衛生研究所(地衛研)・保健所・検疫所からNESID病原体検出情報に登録された情報に基づく。感染症発生動向調査の定点およびその他の医療機関、保健所等で採取された検体から検出された病原体の情報が含まれる。

速報のグラフ・集計表(URLの末尾が/data〇〇j.pdfや/data〇〇j.csvとなっているもの、「〇年〇月〇日作成」と表記されているもの)は自動作成されており、作成日の2日前(土日祝日を除く)までにNESID病原体検出情報に登録された情報が反映されている。過去の週、月、年(検体採取)に遡っての追加、変更、削除報告もある。

「〇年〇月〇日現在報告数」と表記されている図と表は、地衛研などよりNESID病原体検出情報に登録された日までの集計値を用いて随時作成している。

腸管出血性大腸菌(VTEC)

週別血清型別

    2020〜2024年

O157&O26過去4年

    2020〜2024年

都道府県別・週別

    2023&2024年:O157
    2023&2024年:O26

都道府県別年間累計

月別O157その他

    2020〜2024年

月別VTEC

    2020〜2024年

赤痢菌&チフス菌・パラチフスA菌&コレラ菌

赤痢菌

    月別2020〜2024年

チフス菌・パラチフスA菌

    月別2020〜2024年

コレラ菌

    月別2019〜2023年

A群溶血性レンサ球菌T血清型

月別

    2020〜2024年

年別T血清型割合

    2020〜2024年

T血清型割合過去4年の推移

    2020〜2024年

食品媒介胃腸炎集団発生事例

週別

    2023&2024年

感染性胃腸炎由来病原細菌

週別

    2020〜2024年

食中毒菌

病原大腸菌(VTECを除く)

    月別2020〜2024年

サルモネラ

    月別2020〜2024年
    血清型割合2020〜2024年

腸炎ビブリオ

    月別2020〜2024年

カンピロバクター

    月別2020〜2024年

黄色ブドウ球菌

    月別2020〜2024年

ウエルシュ菌

    月別2020〜2024年

セレウス菌

    月別2020〜2024年

細菌 アーカイブ

2023年以前

 

 

病原体検出情報速報グラフ・集計表のURL変更について(2022年12月16日)

詳しく読む

政府共通プラットフォームへの移行にともない、病原体検出情報の速報グラフ・集計表のURLが変更されています。本サイトに掲載されている自動更新のグラフ・集計表は変更後のURLへの置き換えが完了していますが、ブックマークなどで個々のグラフ・表へのリンクをご利用いただいている場合は、お手数ですが以下のように変更をお願いいたします。
旧 https://nesid4g.mhlw.go.jp/ 
 新 https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/ 

2022年12月16日 IASR事務局

*データは、地方衛生研究所(地衛研)・保健所・検疫所からNESID病原体検出情報に登録された情報に基づく。感染症発生動向調査の定点およびその他の医療機関、保健所等で採取された検体から検出された病原体の情報が含まれる。

速報のグラフ・集計表(URLの末尾が/data〇〇j.pdfや/data〇〇j.csvとなっているもの、「〇年〇月〇日作成」と表記されているもの)は自動作成されており、作成日の2日前(土日祝日を除く)までにNESID病原体検出情報に登録された情報が反映されている。過去の週、月、年(検体採取)に遡っての追加、変更、削除報告もある。

「〇年〇月〇日現在報告数」と表記されている図と表は、地衛研などよりNESID病原体検出情報に登録された日までの集計値を用いて随時作成している。

 

インフルエンザウイルス

シーズン別週別

    2019/20~2023/24シーズン

都道府県別

    2023/24シーズン

週別

    2022/23&2023/24シーズン

過去4シーズンとの比較

    2019/20~2023/24シーズン

都道府県別・週別

    2023/24シーズンAH1pdm09
    2023/24シーズンA(H1)亜型
    2023/24シーズンA(H3)
    2023/24シーズンB型(合計)
    2023/24シーズンB型(ビクトリア系統)
    2023/24シーズンB型(山形系統)

アーカイブ

2022/23シーズン以前

診断名:インフルエンザ由来ウイルス

週別ウイルス別

2023&2024年

都道府県別ウイルス別

2024年

アーカイブ

2023年以前

診断名:インフルエンザ様疾患由来ウイルス

週別ウイルス別

2023&2024年

都道府県別ウイルス別

2024年

アーカイブ

2023年以前

ノロウイルス・サポウイルス&ロタウイルス

週別

    ノロ・サポ 2019/20~2023/24シーズン
    ロタウイルス 2019/20~2023/24シーズン

都道府県別

    2023/24シーズン

前シーズンとの比較

    2022/23&2023/24シーズン

シーズン別週別

    2019/20〜2023/24シーズン

内訳

    ノロ・サポ 2019/20~2023/24シーズン
    ロタウイルス 2019/20~2023/24シーズン

都道府県別・週別

    ノロウイルス 2023/24シーズン

アーカイブ

2022/23シーズン以前

食品媒介胃腸炎集団発生事例

週別

    2023&2024年

アーカイブ

2023年以前

エンテロウイルス

無菌性髄膜炎由来ウイルス

    週別2020~2024年
    都道府県別2024年
    年別2020~2024年

手足口病由来ウイルス

    週別2023&2024年
    週別2020~2024年
    都道府県別2024年
    都道府県別2024年(EV71&CA16)
    年別2020~2024年

ヘルパンギーナ由来ウイルス

    週別2020~2024年
    年別2020~2024年

EV71&CA16

    週別2020~2024年
    過去4年間との比較2024年
    EV71都道府県別週別2024年
    CA16都道府県別週別2024年
    EV71都道府県別診断名2024年
    CA16都道府県別診断名2024年

EV68

    週別診断名別2023&2024年
    都道府県別診断名別2024年
    シーズン別:週別診断名別2019/20〜2023/24シーズン

アーカイブ

2023年以前

アデノウイルス(自動更新)

月別

    2020~2024年

    咽頭結膜熱由来ウイルス

      週別2020~2024年
      都道府県別2024年
      年別2020~2024年

    流行性角結膜炎由来ウイルス

      週別2020~2024年
      年別2020~2024年

    アーカイブ

    2023年以前

アデノウイルス

年別診断名別型別内訳

(2024年3月31日現在報告数)

エンテロウイルス

無菌性髄膜炎由来ウイルス

    週別2020~2024年
    都道府県別2024年
    年別2020~2024年

手足口病由来ウイルス

    週別2023&2024年
    週別2020~2024年
    都道府県別2024年
    都道府県別2024年(EV71&CA16)
    年別2020~2024年

ヘルパンギーナ由来ウイルス

    週別2020~2024年
    年別2020~2024年

EV71&CA16

    週別2020~2024年
    過去4年間との比較2024年
    EV71都道府県別週別2024年
    CA16都道府県別週別2024年
    EV71都道府県別診断名2024年
    CA16都道府県別診断名2024年

EV68

    週別診断名別2023&2024年
    都道府県別診断名別2024年
    シーズン別:週別診断名別2019/20〜2023/24シーズン

アーカイブ

2023年以前

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan