アデノウイルス 年別診断名別型別内訳(2024年3月31日現在報告数)
2016~2020年 2012~2015年 都道府県別2024年(2024-3-31)咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/上気道炎/下気道炎 2023年(2024-3-31) 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/上気道炎/下気道炎 2022年(2023-10-19) 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎 2021年(2022-06-20) 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎 2020年(2022-06-20) 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎 2019年 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎 2018年 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎 2017年 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎 2016年 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎 2015年 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎> 2014年 咽頭結膜熱/流行性角結膜炎/ 感染性胃腸炎/下気道炎/上気道炎 |
(IASR Vol. 34 p. 25-28: 2013年2月号)
はじめに
感染症流行予測調査における麻疹感受性調査(抗体保有状況調査、予防接種状況調査)は1978年度に開始され、1996年度以降は抗体価測定方法が従来の赤血球凝集抑制法からゼラチン粒子凝集(particle agglutination:PA)法に変更となり、現在に至っている。
麻疹に対する定期予防接種は1978年に開始され、従来は幼児期に1回のみであったが、2006年6月より「1回目の接種で免疫が獲得できなかった者への免疫賦与」、「1回目の接種後、年数の経過により免疫が減衰した者に対する免疫増強」、「1回目の接種機会を逃した者に再度の接種機会を与えること」を目的とした2回接種(第1期:1歳児、第2期:年度内に6歳になる者)が開始された。また、2008年度からは第3期(年度内に13歳になる者)および第4期(同18歳になる者)が5年間の期限付きで定期接種に導入された。2012年度は第3期および第4期が実施される最終年度であるが、2012年度末時点で1990~2006年度生まれの者は定期接種として2回の接種機会があった年齢層となる。
調査対象
2012年度麻疹感受性調査は北海道、宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、東京都、新潟県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、山口県、香川県、高知県、福岡県、佐賀県、宮崎県、沖縄県の23都道府県で実施され、抗体価の測定は各都道府県衛生研究所において行われた。また、予防接種状況調査については上記に富山県、熊本県を加えた25都道府県で実施された。2013年1月15日現在、6,860名の抗体価および7,510名の予防接種歴が報告された。なお、本調査の実施要領における抗体価測定対象者の採血時期は7~9月としているが、この時期に採血されていた者は5,985名(87%)であった。
麻疹含有ワクチン接種状況
麻疹含有ワクチン(麻疹単抗原ワクチン、麻疹風疹混合ワクチン、麻疹おたふくかぜ風疹混合ワクチン)の接種状況について図1(上段:接種歴不明者を含まない、下段:接種歴不明者を含む)に示した。なお、本調査結果は一調査時点における接種状況であり、厚生労働省で実施している年度単位の接種率調査の結果とは異なる。
全体の接種状況の割合をみると、麻疹含有ワクチンの1回接種者は32%、2回接種者は15%、接種は受けたが回数不明であった者は3%、未接種者は7%、接種歴不明者は42%であり、接種歴不明者の割合は年齢の上昇に伴い増加した。接種歴不明者を除く接種状況について年齢別にみると、1回以上接種者(1回・2回・回数不明接種者)は0歳で4%であったが、第1期の対象年齢である1歳で79%と急増した(※調査時点では未接種の者が含まれる)。2歳以上の1回以上接種率は、麻疹が定期接種に導入された1978年生まれの者が含まれる30~34歳群まで90%以上であり、特に2~21歳は95%以上の高い接種率であった。一方、2012年度末時点で2回の接種機会があった年齢層のうち、本調査までに第2~4期の接種期間が確実に終了した年齢層(第2期:7~11歳、第3期:14~16歳、第4期:19~21歳)における2回接種率をみると、第2期終了者では7~9歳および11歳が60%以上(65~72%、10歳は57%)であり、第3期終了者では14~16歳が60%以上(61~68%)であった。しかし、第4期終了者の2回接種率は26~44%と低く、各実施年度における第4期接種率の低さが大きな要因と考えられた。
麻疹PA抗体保有状況
年齢別あるいは年齢群別の麻疹PA抗体保有状況を図2に示した。PA法により抗体陽性と判定される抗体価1:16以上について年齢別にみると、0~5カ月齢では移行抗体と考えられる抗体保有者が73%存在していたが、移行抗体が減衰する6~11カ月齢では9%の抗体保有率であった。その後、第1期対象年齢である1歳で67%となり、2歳以上ではすべての年齢および年齢群で95%以上の抗体保有率を示した。一方、発症予防の目安とされるPA抗体価1:128以上(少なくとも1:128以上であり、できれば1:256 以上が望ましい)の抗体保有率についてみると、2~3歳、6~7歳、9~10歳、13~22歳、24歳、30~54歳の各年齢群は90%以上であった。本調査までに第2~4期の接種期間が確実に終了した年齢層のうち90%未満の抗体保有率であったのは、8歳と11歳(87%)のみであった。
麻疹PA抗体保有状況の年度別比較
2012年度と第2期の接種が開始された2006年度の麻疹PA抗体保有状況の比較を図3に示した。PA抗体価1:16以上の抗体保有率についてみると、2006年度は95%を下回っていた年齢層が20歳未満で多く認められたが、2012年度は0~1歳を除くすべての年齢層で95%以上を示した。成人層においては両年度でほとんど差はみられず、97%以上の高い抗体保有率であった。また、PA抗体価1:128以上の抗体保有率について20歳未満で比較すると、2006年度は2~4歳、6歳、11歳のみが90%以上であったのに対し、2012年度は2~3歳、6~7歳、9~10歳、13~19歳と、多くの年齢層が90%以上を示し、第2~4期における2回接種の効果により高い抗体価が維持されていることが考えられた。
まとめ
2012年度調査の結果から、麻疹含有ワクチンの2回接種率向上に伴い、抗体陰性者(PA抗体価1:16未満)の減少ならびに発症予防の目安とされる抗体保有者(PA抗体価1:128 以上)の増加が認められ、2歳以上のすべての年齢あるいは年齢群で抗体保有率95%以上が達成された。
麻疹排除達成・維持に向けては、今後も2回の定期接種率95%以上を目標とし、発症予防に十分な抗体を保有していない者、定期接種の期間が終了した者で2回接種が完了していない者、特に発症した場合に本人の重症化のリスクのみならず周りへの影響が大きい医療、福祉、教育機関に勤務する者あるいは実習などで関わる学生においては、「麻しんに関する特定感染症予防指針(2012年12月14日改正)」(本号19ページ参照)に記載されているように、必要とされる2回の予防接種の実施が重要と考えられた。
国立感染症研究所感染症情報センター
佐藤 弘 多屋馨子
2012年度麻疹感受性調査および予防接種状況調査実施都道府県:北海道、宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県、東京都、新潟県、富山県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、大阪府、山口県、香川県、高知県、福岡県、佐賀県、熊本県、宮崎県、沖縄県
病原体検出情報速報グラフ・集計表のURL変更について(2022年12月16日)
政府共通プラットフォームへの移行にともない、病原体検出情報の速報グラフ・集計表のURLが変更されています。本サイトに掲載されている自動更新のグラフ・集計表は変更後のURLへの置き換えが完了していますが、ブックマークなどで個々のグラフ・表へのリンクをご利用いただいている場合は、お手数ですが以下のように変更をお願いいたします。
旧 https://nesid4g.mhlw.go.jp/
新 https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/
2022年12月16日 IASR事務局
*データは、地方衛生研究所(地衛研)・保健所・検疫所からNESID病原体検出情報に登録された情報に基づく。感染症発生動向調査の定点およびその他の医療機関、保健所等で採取された検体から検出された病原体の情報が含まれる。
速報のグラフ・集計表(URLの末尾が/data〇〇j.pdfや/data〇〇j.csvとなっているもの、「〇年〇月〇日作成」と表記されているもの)は自動作成されており、作成日の2日前(土日祝日を除く)までにNESID病原体検出情報に登録された情報が反映されている。過去の週、月、年(検体採取)に遡っての追加、変更、削除報告もある。
「〇年〇月〇日現在報告数」と表記されている図と表は、地衛研などよりNESID病原体検出情報に登録された日までの集計値を用いて随時作成している。
発生動向総覧 〈第5週コメント〉 2月8日集計分 ◆全数報告の感染症 注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。 *感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。 インフルエンザ:定点当たり報告数は第42週以降増加が続いており、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してかなり多い。都道府県別では福井県(64.41)、岩手県(58.98)、石川県(55.65)、宮崎県(55.36)、高知県(54.21)、山口県(51.64)、埼玉県(50.94)、千葉県(50.84)、静岡県(50.83)が多い。 小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は1,684例と第51週以降減少が続いている。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約77%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は2週連続で増加した。都道府県別で新潟県(1.10)、佐賀県(0.83)、福岡県(0.60)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では大分県(5.64)、富山県(5.62)、福井県(5.27)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では大分県(24.7)、福井県(15.2)、熊本県(14.9)が多い。水痘の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では鹿児島県(2.78)、宮崎県(2.60)、岩手県(2.40)が多い。手足口病の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では石川県(0.72)、滋賀県(0.56)、鹿児島県(0.56)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では鳥取県(1.63)、島根県(1.39)、長野県(0.98)が多い。百日咳の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では沖縄県(0.15)、栃木県(0.08)、群馬県(0.05)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は2週連続で減少した。都道府県別では徳島県(0.09)、富山県(0.07)、香川県(0.07)、高知県(0.07)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では大分県(1.72)、山形県(1.70)、鳥取県(1.68)が多い。 基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では沖縄県(3.29)、埼玉県(3.11)、愛知県(1.92)が多い。 |
発生動向総覧
〈第4週コメント〉 2月1日集計分
◆全数報告の感染症
注意:これは当該週に診断された報告症例の集計です。しかし、迅速に情報還元するために期日を決めて集計を行いますので、当該週に診断された症例の報告が集計の期日以降に届くこともあります。それらについては一部を除いて発生動向総覧では扱いませんが、翌週あるいはそれ以降に、巻末の表の累積数に加えられることになります。
*感染経路、感染原因、感染地域については、確定あるいは推定として記載されていたものを示します。
1類感染症: | 報告なし | ||||||||||||||||||||||||||||
2類感染症: | 結核 337例 | ||||||||||||||||||||||||||||
3類感染症: |
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4類感染症: |
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5類感染症: |
クロイツフェルト・ヤコブ病3例(孤発性プリオン病古典型3例) 劇症型溶血性レンサ球菌感染症1例(年齢群:50代)
梅毒10例(早期顕症I期1例、早期顕症II期3例、晩期顕症1例、無症候5例)
(補)2012年第3週までに診断されたものの報告遅れとして、E型肝炎2例(感染地域:北海道1例、兵庫県1例_感染源:不明2例)、デング熱1例(感染地域:タイ)、急性脳炎6例〔インフルエンザウイルスA型4例_年齢群:1歳(1例)、3歳(1例)、5歳(1例)、8歳(1例).インフルエンザウイルスB型1例_年齢群:30代.病原体不明1例_年齢群:10歳〕、劇症型溶血性レンサ球菌感染症2例〔90代(2例.死亡2例)〕などの報告があった。 |
◆定点把握の対象となる5類感染症(週報対象のもの)
全国の指定された医療機関(定点)から報告され、疾患により小児科定点(約3,000 カ所)、インフルエンザ(小児科・内科)定点(約5,000 カ所)、眼科定点(約600 カ所)、基幹定点(約500 カ所)に分かれています。また、定点当たり報告数は、報告数/定点医療機関数です。
インフルエンザ:定点当たり報告数は第42週以降増加が続いており、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多い。都道府県別では福井県(74.88)、高知県(66.69)、愛知県(60.48)、三重県(54.58)、岐阜県(49.87)、和歌山県(48.32)、静岡県(48.07)が多い。
小児科定点報告疾患:RSウイルス感染症の報告数は2,073例と第51週以降減少が続いている。年齢別では1歳以下の報告数が全体の約76%を占めている。咽頭結膜熱の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では新潟県(1.27)、富山県(0.79)、福岡県(0.67)が多い。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では富山県(6.93)、石川県(5.45)、福井県(5.27)が多い。感染性胃腸炎の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では大分県(25.9)、宮崎県(16.9)、福井県(16.4)が多い。水痘の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では宮崎県(4.03)、鹿児島県(3.50)、山形県(2.83)が多い。手足口病の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では石川県(1.28)、滋賀県(0.97)、宮崎県(0.57)が多い。伝染性紅斑の定点当たり報告数は減少した。都道府県別では鳥取県(1.37)、島根県(1.00)、高知県(1.00)が多い。百日咳の定点当たり報告数は増加した。都道府県別では沖縄県(0.26)、栃木県(0.08)、広島県(0.06)が多い。ヘルパンギーナの定点当たり報告数は減少した。都道府県別では熊本県(0.10)、徳島県(0.09)、宮崎県(0.09)が多い。流行性耳下腺炎の定点当たり報告数は3週連続で減少した。都道府県別では新潟県(1.67)、山形県(1.53)、宮崎県(1.49)が多い。
基幹定点報告疾患:マイコプラズマ肺炎の定点当たり報告数は減少したが、過去5年間の同時期と比較してかなり多い。都道府県別では埼玉県(2.67)、福島県(2.57)、栃木県(2.29)が多い。