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フィリピンにおけるレプトスピラ症の臨床像と治療

(IASR Vol. 37 p. 110-111: 2016年6月号)

フィリピンはレプトスピラ症の蔓延国であり, 毎年, 7~10月にかけて雨期になると症例が増加する。首都マニラのスラム地域は, 宿主となるネズミが多数生息しており, また, 治水整備の不備から, 雨期には水が氾濫し, 貧困層の多くが汚染された水との接触を余儀なくされるため, 多数の患者が発生する。特に台風後の洪水では, しばしば集団発生がみられる。フィリピン保健省は, 本症を集団発生リスクが高い感染症の一つと位置付けており, 全国サーベイランスを行っているが, その全容を把握するには至っていない。

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