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C型肝炎ウイルス発見前後

(IASR Vol.42 p12-14: 2021年1月号)

 

 新しい病原ウイルスを確定するためには, 感受性のある適切な実験動物の存在が不可欠である。1970年代末に, チンパンジーがヒト以外に唯一非A非B型肝炎ウイルスに感受性を持つことがわかり, 1980年初め頃からチンパンジーを用いた地道な感染実験が日米で行われるようになった。日本では国立予防衛生研究所(予研)で, 病理部長だった志方俊夫先生がチンパンジーの感染実験を行っていた。米国ではCenters for Disease Control and Prevention(CDC)のDW Bradleyが血漿を用いる精緻なチンパンジー感染実験を続けていた。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan