(IASR Vol. 42 p99-100: 2021年5月号)
腸管出血性大腸菌(EHEC)感染による重症例である溶血性尿毒症症候群(HUS)は国内で年間50-100例報告されている。このうち, EHECが分離されないHUS症例は全体の30-40%であり, これらの症例では患者便中の志賀毒素の検出, または患者血清中の抗大腸菌(O157, O26, O111, O121, O145, O165, O103等の国内での重症例に多いO群)に対する凝集抗体陽性でEHECによるHUS症例の確定診断とされている。