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播種性クリプトコックス症の疫学

(IASR Vol. 45 p18-20: 2024年2月号)
 

クリプトコックス症は, クリプトコックス属が原因真菌である感染症であり, 土壌など環境中に存在する真菌の経気道的な吸引が最も一般的な感染経路である1)。ヒト-ヒト感染はないと報告されている。経気道的な吸引に続発する肺感染症が最も多くみられる病型であるが, 呼吸器等の感染部位から中枢神経系あるいは全身性に播種した症例を播種性クリプトコックス症と呼び, 感染症法に基づく5類感染症の全数把握対象疾患に定められ, 診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出ることが規定されている。届出基準には血液, 脳脊髄液など通常無菌である検体からのクリプトコックス属の分離・同定, 病理組織学的診断, ラテックス凝集法によるクリプトコックス莢膜抗原陽性例などが含まれ, 詳細はhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-140912-3.htmlに記載されている。

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