国立感染症研究所

掲載日:2021年11月10日

第58回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年11月9日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第58回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、今週先週比が0.76と減少が継続し、直近の1週間では10万人あたり約1と、昨年の夏以降で最も低い水準が続いている。また、新規感染者数の減少に伴い、療養者数、重症者数や死亡者数も減少が続き、重症者数は昨年の秋以降で最も低い水準になるとともに、死亡者数は今回の感染拡大前の水準を下回った。

実効再生産数:
全国的には、直近(10/24時点)で0.81と1を下回る水準が続き、首都圏では0.72、関西圏では0.89となっている。

(注)死亡者数は、各自治体が公表している数を集計したもの。公表日ベース。

今後の見通しと必要な対策

  • 多くの市民や事業者の感染対策への協力やワクチン接種率の向上(2回接種完了者は全国民の7割超。12~19歳では約7割が1回接種済)等により、11月以降も全国的に新規感染者数の減少が続き、非常に低い水準となっているが、感染伝播はなお継続している。一部の地域では夜間の滞留人口の増加が続くとともに、飲食店や施設等でのクラスターの発生や感染経路不明事案の散発的な発生による一時的な増加傾向が見られるが、継続的な増加傾向を示す地域はない。今後、気温の低下により、屋内での活動が増えることにも留意が必要であり、年末に向けて、忘年会、クリスマスやお正月休み等の恒例行事により、さらに社会経済活動の活発化が想定される中で、 今後の感染再拡大も見据え、現在の感染状況が改善している状態や低い水準を維持していくことが重要。
  • このため、引き続き、クラスター対策としての積極的疫学調査を徹底することにより、感染拡大防止につなげることが重要であり、また、未接種者へのワクチン接種を進めることも必要。ワクチン接種が先行する諸外国において、中和抗体価の低下等によるブレークスルー感染や大幅な規制緩和の中でのリバウンドが発生している状況もあることから、対策の緩和を進める際には留意が必要。あわせて、追加接種に向けた検討を進めていくことも必要。
  • これらの状況を踏まえ、今後もワクチン接種を進めるとともに、一人ひとりが、感染拡大を防止するための行動を取ることが必要。ワクチン接種者も含め、マスクの正しい着用、手指衛生、ゼロ密や換気といった基本的な感染対策の徹底について、引き続き、市民や事業者の方々にご協力いただくことが必要。また、少しでも体調が悪ければ検査・受診を行うことが求められる。飲食の際に、一定のリスクの高い状況が重なると集団感染に繋がる恐れもあることを踏まえ、第三者認証適用店を選び、飲食時以外はマスクを着用することが利用者に求められる。
  • 国や自治体においては、外出時には混雑している場所や時間を避けて少人数で行動するよう周知を行うことや、企業におけるテレワーク等の推進状況を踏まえた柔軟な働き方の実施に向けて呼びかけを行うことが必要。また、自治体においては、ワクチン接種に至っていない方への情報提供を進めることが求められる。
  • 10月15日に示された政府の方針に基づき、ワクチン、検査、治療薬等の普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化するとともに、次の感染拡大に備えた医療提供体制・公衆衛生体制の強化を進めていくことが求められる。
  • 11月8日の新型コロナウイルス感染症対策分科会で新たなレベル分類の考え方が示された。各自治体では、予測ツール及びその他の指標を基に推計される一定期間後の必要病床数について、これまでの感染拡大時のデータ等を用いた検討が求められる。

 

感染状況分析・評価グラフ等 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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