掲載日:2022年6月2日
第86回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月1日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第86回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。
感染状況について
全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約138人となり、今週先週比は0.73と減少が続いている。また、年代別の新規感染者数は全ての年代において減少している。
全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数及び重症者数は減少が続いている一方、死亡者数は横ばいとなっている。
- 実効再生産数:
- 全国的には、直近(5/15)で0.98と1を下回る水準となっており、首都圏、関西圏ともに0.98となっている。
地域の動向
※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
- 北海道
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新規感染者数は今週先週比が0.67と1を下回り、約196(札幌市約230)。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は約2割。
- 北関東
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茨城の新規感染者数は今週先週比が0.69と1を下回り、約86。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。栃木、群馬でも今週先週比がそれぞれ0.54、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約67、83。病床使用率について、栃木では1割弱、群馬では2割弱。
- 首都圏(1都3県)
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東京の新規感染者数は今週先週比が0.76と1を下回り、約131。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床・重症病床使用率はいずれも1割強。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.81、0.76、0.76と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約94、80、102。病床使用率について、埼玉では2割弱、千葉では約1割、神奈川では1割強。
- 中京・東海
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愛知の新規感染者数は今週先週比が0.75と1を下回り、約147。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は2割弱。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.83、0.66、0.74と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約164、116、115。病床使用率について、岐阜では3割強、静岡では1割強、三重では約2割。
- 関西圏
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大阪の新規感染者数は今週先週比が0.74と1を下回り、約161。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は約2割、重症病床使用率は1割強。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.81、0.72、0.76、0.78、0.60と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約145、163、136、107、99。病床使用率について、滋賀、京都、兵庫では1割強、奈良では約1割、和歌山では約2割。
- 九州
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福岡の新規感染者数は今週先週比が0.74と1を下回り、約191。20代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は約2割。佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.71、0.78、0.75、0.76、0.72、0.75と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約150、168、181、168、214、206。病床使用率について、佐賀、大分では1割強、長崎では2割弱、熊本では3割強、宮崎では2割強、鹿児島では約3割。
- 沖縄
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新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約670と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は5割弱、重症病床使用率は約2割。
- 上記以外
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青森、岩手、秋田、福島、長野、広島、山口、高知の新規感染者数はそれぞれ約124、113、83、83、98、192、135、142。病床使用率について、青森、岩手、福島、長野、広島では2割強、秋田、山口、高知では約2割。
今後の見通しと必要な対策
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感染状況について
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新規感染者数について、全国的には、ほとんどの地域で報告数の減少傾向が続いている。地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏、愛知県や大阪府などでは昨年夏のピーク時を下回る状況にある一方、沖縄県では全国で最も高い状況が続いているものの、直近の約2週間は減少がほぼ継続している。また、多くの地域で、発症日のエピカーブからも急激な増加傾向は見られない。
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年代別の新規感染者数では全ての年代で減少しており、地域別で見てもおおむね同様の傾向が見られるが、一部の地域では、80代以上で増加傾向が見られることから、引き続き、高齢者の感染状況を注視していく必要。
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新規感染者の感染場所について、学校等、事業所及び高齢者福祉施設における割合が高止まりしている。また、足下の数日では飲食店における割合が増加基調となっており、特に、20代から60代ではその傾向が見られる。
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今後の感染状況について、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、引き続き注視が必要。
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感染の増加要因と抑制要因について
感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
- 【接触パターンについて】
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夜間滞留人口について、引き続き、全国の半数以上の地域で増加傾向が見られる。1週間ごとに増減を繰り返す地域もあれば、継続して増加する地域もある。これらの中には、昨年末のピーク時に迫るほど増加する地域もあるため、今後の感染状況への影響に注意が必要。
- 【流行株について】
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BA.2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、新規感染者の増加や減少スピードが遅れる一要因となりうる。
- 【ワクチン接種等について】
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3回目接種は高齢者で進むとともに、若年層でも接種が進んでいるが、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染による免疫保持については、地域の発生動向に影響する可能性もある。
- 【気候要因について】
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気温が上昇する時期は、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇やこれから梅雨の時期に入ると、降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
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医療提供体制について
- 沖縄県では、入院者数、病床使用率や重症病床使用率は、ほぼ横ばい。全国的には、新規感染者数の減少傾向が続いていることに伴い、半数以上の地域で病床使用率が減少となるとともに、ほぼ全ての地域で自宅療養者・療養等調整中の者も減少。
- 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに減少傾向が続いているが、感染者数の増減に関わらず増加している地域もあり、地域差が見られる。
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オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
- 【サーベイランス等】
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発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、 ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
- 【自治体における取組】
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- 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
- 地域の感染状況に基づき、必要な医療提供体制の構築に引き続き取り組むことが必要。
- 高齢者施設等に対する医療支援体制の強化・徹底にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
- 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保することが重要。
- 【ワクチン未接種者、3回目及び4回目接種者への情報提供等】
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- 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。 3回目接種率について、5月31日公表時点で65歳以上高齢者では約89%、全体では約59%となった。対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月25日から開始された。
- 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、3回目及び4回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチンの初回接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。
- 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンの3回目接種を行うことも重要。
- 【水際対策】
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海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。また、出国前検査は継続して求めつつ流入リスクに応じた対応を行うとともに、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
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オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
- 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策を徹底する。その上で、できるだけ教育活動や社会機能などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。また、2歳未満の児童についてはマスク着用は推奨しないこと、2歳以上の就学前児については、熱中症のリスクや表情が見えにくくなることによる影響も懸念されることから、マスク着用を一律には求めず、無理に着用させないことについて、保育所等に対し周知・徹底することが必要。学校においては、体育の授業・運動部活動や登下校の際にはマスク着用が必要ないことを学校現場に周知・徹底することが必要。
- 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、従業者等へは積極的な検査を実施する。また、重症化予防のため、入所者に対するワクチンの4回目接種を進める。さらに、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
- 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、テレワークの活用や休暇取得の促進等の取組が求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要。さらに、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
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現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
全国的には未だに昨年夏のピークよりも高い状況が続いている。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底し、感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
- 【ワクチン接種について】
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ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。
- 【感染対策の徹底】
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オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
- 【外出等に際して】
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混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。一方で、屋外については、近距離で会話する場合を除き、マスク着用は必要ない。特に、夏場については、熱中症予防の観点から屋外ではマスクを外すことを推奨する。
- 【体調管理について】
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軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
≪参考:オミクロン株の特徴に関する知見≫
- 【感染性・伝播性】
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オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
- 【感染の場・感染経路】
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国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
- 【重症度】
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オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
- 【ウイルスの排出期間】
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オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
- 【ワクチン効果】
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初回免疫によるオミクロン株感染に対する発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
- 【BA.2系統】
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海外ではBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統へ概ね置き換わった。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。
- 【XE 、BA.4、BA.5及びBA.2.12.1系統】
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オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫で2件確認されている。 WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。また、BA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統は検疫で検出されており、このうちBA.5系統及びBA.2.12.1系統については国内でも検出されている。米国CDCによれば、BA.2.12.1系統は、BA.2系統と比べて感染者の増加する速度が25%程度高いと報告されている。一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。