2021年10月6日
要約
国立感染症研究所では、複数の医療機関の協力のもとで、発熱外来等で新型コロナウイルスの検査を受ける者を対象として、社会活動・行動のリスクを検討するための症例対照研究を実施している。本暫定報告は、2021年6月から7月に東京都内の5ヶ所の医療機関の発熱外来等を受診した成人のうち新型コロナワクチンの接種歴がない753名(うち陽性257名(34.1%))の解析結果である。
会食・飲み会に参加しなかった者と比較して、会食・飲み会に参加した者では、感染のオッズが高かった。ただし、飲酒を伴う場合は1回でも高いオッズであった。また、レストラン・バー・居酒屋などでの飲み会・会食は感染のオッズが高いが、レストラン・バー・居酒屋などでの飲み会・会食に参加していなくても、自宅における同居者以外との会食や飲み会等への参加もリスク因子であることが示された。いずれの状況でも、昼よりも夕方・夜の飲み会・会食において感染のオッズが高かった。一方で、カフェや喫茶店、食事配達、テイクアウトの利用、1人での外食は明らかなリスク因子ではなかった。会食や飲み会、食事様式、カフェ利用等の様子に関連した検討では、最大同席人数は自身を含めて5人以上で感染のオッズが高く、最大滞在時間は2時間以上の場合オッズが高かった。会食/飲み会参加・カフェ利用がない者と比較して、食事や飲み物を口に運ぶとき以外マスクをつけていた者は感染のオッズは変わらなかったが、マスクを着用していなかった・席についてマスクを外した者では、極めて高いオッズを示した。また、不織布マスクを着用していた者と比較して、布/ガーゼマスクやウレタンマスクを着用していた者は感染のオッズが高かった。この関係は、会食歴があるものに限定した際により強くなった。その他の行動歴として、デパートやショッピングセンター訪問においては、感染のオッズの上昇は認めなかったが、2人以上のカラオケでは、行った者の数が少ないため信頼区間が広いが感染のオッズが高かった。就業・就学については、就業・就学の有無、フルタイムかパートタイムか、電車通勤かどうかで感染のオッズは大きく変わらなかった。テレワーク・オンライン授業の実施状況についても、明確な傾向はみられなかった。
感染のリスクは単一ではなく、一つの感染対策で十分というものも存在しないため、本報告等を踏まえて、流行状況に応じて政府・自治体の要請に応じた感染対策を遵守し、感染リスクの高い行動を極力避け、ワクチン接種を検討し、複合的に感染リスクを下げることが重要である。
端緒
新型コロナウイルスに感染するリスクが高い場面や行動として「3密」・「5つの場面」等が知られるが、これらは主にクラスター事例や個々の新型コロナウイルス感染事例の記述的分析に基づく知見であり、適切にデザインされた研究に基づくエビデンスの確立が求められてきた。そこで、国立感染症研究所では、複数の医療機関の協力のもとで、発熱外来等で新型コロナウイルスの検査を受ける者を対象として、社会活動・行動のリスクを検討するための症例対照研究を実施している。この研究デザインは、新型コロナワクチンのリスク因子解析に海外でも用いられてきた1-3。2021年3月末から6月初旬に行われたパイロット調査では、飲酒を伴う会食が感染リスクであることが確認され、その暫定結果を7月に報告した4。ただ、パイロット調査は2医療機関で実施したものであり、サンプルサイズが小さいという制限があった。また、6月初旬以来、B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)からより感染・伝播性が増加していることが懸念されるB.1.617.2系統の変異株(デルタ株)への置き換わりが進んだこと5、ワクチン接種を含め感染制御のために講じられる様々な措置によって市民の社会活動・行動の程度や性質が刻々と変化することから、感染リスクの高い社会活動・行動を改めて評価する必要がある。そこで、今回の調査では、対象施設を増やし、新型コロナワクチン非接種者を対象としてより詳細に会食やその他の社会活動・行動と新型コロナウイルス感染との関連を検討した。本報告では、その6-7月分の暫定結果を報告する。
方法
2021年6月9日から7月31日までに東京都内の5ヶ所の医療機関の発熱外来等を受診した成人を対象に、検査前に基本属性、発症2週間前(無症状であれば検査2週間前)までの社会活動・行動歴などを含むアンケートを実施した。除外基準である未成年者、意識障害のある者、日本語でのアンケートに回答できない者、直ちに治療が必要な者、本アンケート調査に参加したことのある者には調査参加の打診を行わなかった。のちに各医療機関で診断目的に実施している核酸検査(PCR)の検査結果が判明した際に検査陽性者を症例群(ケース)、検査陰性者を対照群(コントロール)と分類した。濃厚接触歴がある場合は、その接触の機会自体が感染の最も高いリスクと考えられるため、濃厚接触歴のない者に限定して解析を行うこととした。また、症状のない者についても検査を受ける動機が一様でない可能性があるため、除外して解析した。さらに、本報告では、ワクチンの効果および接種による行動変容の影響を除外するために、ワクチンを1回も接種していない者に限定して解析した。
なお、調査期間中、東京都では6月20日までは緊急事態宣言、6月21日から7月11日まではまん延防止等重点措置、7月12日からは緊急事態宣言が発出されていた。また、民間検査会社における変異株スクリーニングの状況としては、6月初旬の調査開始時にはアルファ株が大部分であったが、7月下旬にはデルタ株が大部分を占めるという置き換わり期であった5。
本調査は国立感染症研究所および協力医療機関において、ヒトを対象とする医学研究倫理審査で承認され、実施された(国立感染症研究所における審査の受付番号1277)。
結果
都内の5医療機関において、発熱外来等を受診した成人1525名が本調査への協力に同意した。うち、発症日不明および発症から15日以降に受診した69名、濃厚接触歴があるか濃厚接触歴の記載のなかった491名、症状のない63名、ワクチン接種歴ありまたは不明の149名を除外して解析した(図1)。
図1.フローチャート
解析に含まれた753名(うち陽性257名(34.1%))の基本特性は、年齢中央値(範囲)32(20-71)歳、男性372名(49.4%)であり、何らかの基礎疾患を174名(23.1%)で有していた(表1)。
表1.研究対象者の基本属性
全体 (n=753) n (%) |
検査陽性者 (n=257) n (%) |
検査陰性者 (n=496) n (%) |
|
年齢 |
|||
20代 |
300 (39.8) |
113 (44.0) |
187 (37.7) |
30代 |
218 (29.0) |
71 (27.6) |
147 (29.6) |
40代 |
140 (18.6) |
40 (15.6) |
100 (20.2) |
50代 |
74 (9.8) |
30 (11.7) |
44 (8.9) |
60代 |
20 (2.7) |
3 (1.2) |
17 (3.4) |
70代以上 |
1 (0.1) |
0 (0.0) |
1 (0.2) |
性別 |
|||
男性 |
372 (49.4) |
135 (52.5) |
237 (47.8) |
女性 |
381 (50.6) |
122 (47.5) |
259 (52.2) |
基礎疾患*あり |
|||
174 (23.1) |
67 (26.1) |
107 (21.6) |
|
発症から検査までの期間(日)** |
|||
2 (1-3) |
2 (1-4) |
2 (1-3) |
*高血圧、心臓病、糖尿病、肥満、腎臓病、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肥満、がん、免疫不全、免疫抑制剤使用中
**中央値(四分位範囲)
3密や5つの場面に関連したリスク因子
過去2週間以内に3密(換気の悪い密閉空間・多数が集まる密集場所・間近で会話や発声をする密接場面)や5つの場面(飲酒を伴う懇親会等・大人数や長時間におよぶ飲食・マスクなしでの会話・狭い空間での共同生活・居場所の切り替わり)に関連する場面に遭遇したかを尋ね、それぞれ遭遇していない者と比較して調整オッズ比を算出した。大人数や長時間におよぶ飲食では、2.37 (1.46-3.82)と高いオッズ比を示した(表2)。
表2.3密や5つの場面に関連した感染のオッズ比
検査 (n=257) n (%) |
検査 (n=496) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
自宅以外で手の届く範囲で会話 |
119 (46.3) |
217 (43.8) |
1.11 (0.82-1.50) |
1.08 (0.79-1.47) |
換気の悪い場所にいた |
38 (14.8) |
50 (10.1) |
1.55 (0.99-2.43) |
1.44 (0.91-2.27) |
大人数や長時間におよぶ飲食 |
43 (16.7) |
40 (8.1) |
2.29 (1.44-3.63) |
2.37 (1.46-3.82) |
多くの人が集まる場所にいた |
73 (28.4) |
133 (26.8) |
1.08 (0.77-1.52) |
1.02 (0.73-1.44) |
狭い空間での共同生活 |
15 (5.8) |
39 (7.9) |
0.73 (0.39-1.34) |
0.68 (0.36-1.27) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
会食や飲み会、食事様式、カフェ利用等に関連したリスク因子
さらに詳細に、会食や飲み会・食事様式・カフェ利用等について感染との関連を検討した。会食・飲み会の回数、飲酒の有無、会食・飲み会の場所、会食・飲み会の時間帯について、それぞれ飲み会・会食に一度も参加していない者を参照項として感染のオッズを比較した。参加回数においては、1回参加で調整オッズ比が1.27 (0.79-2.06)、2回参加で1.58 (0.98-2.55)、3回以上参加で2.14 (1.45-3.17)であった(表3(a))。飲酒の有無においては、調整オッズ比が飲酒のない会食のみ参加で1.06 (0.67-1.67)、飲酒のある会食・飲み会参加で2.18 (1.52-3.14)であった(表3(b))。会食・飲み会の場所においては、調整オッズ比が自宅のみでの会食・飲み会参加で2.10 (1.03-4.28)、レストラン・バー・居酒屋での会食・飲み会参加で1.55 (1.08-2.21)、路上や公園での会食・飲み会参加ありで2.34 (0.86-6.37)であった(表3(c))。会食・飲み会の時間帯においては、調整オッズ比が昼のみの参加で0.73 (0.41-1.31)、夕方・夜にも参加で2.12 (1.49-3.02)であった(表3(d))。また、その他の食事等の様式の利用はそれぞれを利用していないものと比較して、調整オッズ比は、2人以上でのカフェや喫茶店利用で1.17 (0.80-1.72)、テイクアウトの利用0.87 (0.61-1.24)、出前やデリバリー等の食事配達サービスの利用1.19 (0.84-1.68)、1人での外食で0.92 (0.65-1.31)であった(表3(e))。
表3.会食や飲み会等に関連した感染のオッズ比
(a) 飲み会・会食の回数*
検査 (n=251) n (%) |
検査 (n=482) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比† (95%信頼区間) |
|
0回(会食・飲み会なし) |
73 (29.1) |
201 (41.7) |
1 |
1 |
1回 |
37 (14.7) |
82 (17.0) |
1.24 (0.78-1.99) |
1.27 (0.79-2.06) |
2回 |
41 (16.3) |
72 (14.9) |
1.57 (0.98-2.50) |
1.58 (0.98-2.55) |
3回以上 |
100 (39.8) |
127 (26.3) |
2.16 (1.49-3.15) |
2.14 (1.45-3.17) |
*飲酒の有無、会食・飲み会の場所、時間帯を問わない
†年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
(b) 飲酒の有無*
検査 (n=250) n (%) |
検査 (n=481) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比† (95%信頼区間) |
|
会食・飲み会なし |
73 (29.2) |
201 (41.8) |
1 |
1 |
飲酒のない会食のみ |
39 (15.6) |
109 (22.7) |
0.99 (0.63-1.55) |
1.06 (0.67-1.67) |
飲酒のある会食・飲み会 |
138 (55.2) |
171 (35.6) |
2.22 (1.57-3.15) |
2.18 (1.52-3.14) |
*会食・飲み会は1回でもある場合で、場所、時間帯を問わない
†年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
(c) 飲み会・会食の場所*
検査 (n=227) n (%) |
検査 (n=463) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比† (95%信頼区間) |
|
会食・飲み会なし |
73 (32.2) |
201 (43.4) |
1 |
1 |
自宅のみでの会食・飲み会あり |
16 (7.0) |
21 (4.5) |
2.10 (1.04-4.24) |
2.10 (1.03-4.28) |
レストラン・バー・居酒屋での会食・飲み会あり‡ |
130 (57.3) |
232 (50.1) |
1.54 (1.09-2.17) |
1.55 (1.08-2.21) |
路上や公園での会食・飲み会参加あり§ |
8 (3.5) |
9 (1.9) |
2.45 (0.91-6.58) |
2.34 (0.86-6.37) |
*会食・飲み会は1回でもある場合で、飲酒の有無、時間帯を問わない
†年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
‡自宅での会食・飲み会の有無を問わない
§自宅やレストラン・バー・居酒屋での会食・飲み会の有無を問わない
(d) 飲み会・会食の時間帯*
検査 (n=251) n (%) |
検査 (n=482) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比† (95%信頼区間) |
|
会食・飲み会なし |
73 (29.1) |
201 (41.7) |
1 |
1 |
昼のみ |
19 (7.6) |
74 (15.4) |
0.71 (0.40-1.25) |
0.73 (0.41-1.31) |
夕方・夜にも参加 |
159 (63.3) |
207 (42.9) |
2.11 (1.51-2.97) |
2.12 (1.49-3.02) |
*会食・飲み会は1回でもある場合で、飲酒の有無、場所を問わない
†年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
(e) その他(それぞれを行っていない者と1回以上行った者との比較)
検査 n (%) |
検査 n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
2人以上でカフェや喫茶店 |
57/232 (24.6) |
95/461 (20.6) |
1.25 (0.86-1.82) |
1.17 (0.80-1.72) |
テイクアウト |
66/240 (27.5) |
144/464 (31.0) |
0.84 (0.60-1.19) |
0.87 (0.61-1.24) |
食事配達 |
80/245 (32.7) |
135/472 (28.6) |
1.21 (0.87-1.69) |
1.19 (0.84-1.68) |
1人での外食 |
78/246 (31.7) |
146/471 (31.0) |
1.03 (0.74-1.44) |
0.92 (0.65-1.31) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
会食や飲み会、カフェ利用等の様子に関連したリスク因子
会食や飲み会、食事様式、カフェ利用等の様子について、それぞれ飲み会・会食に参加・カフェ利用を一度も行っていない者を参照項とする感染のオッズを検討した。
自身を含めた最大同席人数においては、5人未満では調整オッズ比は1.40 (0.96-2.05)、5人以上では2.16 (1.25-3.71)であった(表4(a))。
最大滞在時間においては、調整オッズ比が2時間未満では1.00 (0.61-1.63)、2時間以上では1.87 (1.27-2.77)であった(表4(b))。
表4.会食・飲み会・カフェ利用時の様子に関連した感染のオッズ比
(a) 最大同席人数
検査 (n=217) n (%) |
検査 (n=436) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
会食/飲み会参加・カフェ利用なし |
62 (28.6) |
168 (38.5) |
1 |
1 |
会食等の最大同席人数5人未満 |
116 (53.5) |
221 (50.7) |
1.42 (0.98-2.05) |
1.40 (0.96-2.05) |
会食等の最大同席人数5人以上 |
39 (18.0) |
47 (10.8) |
2.25 (1.34-3.76) |
2.16 (1.25-3.71) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
(b) 最大滞在時間(はしごの場合は合計)
検査 (n=221) n (%) |
検査 (n=440) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
会食/飲み会参加・カフェ利用なし |
62 (28.1) |
168 (38.2) |
1 |
1 |
会食等の最大滞在時間2時間未満 |
35 (15.8) |
98 (22.3) |
0.97 (0.60-1.57) |
1.00 (0.61-1.63) |
会食等の最大滞在時間2時間以上 |
124 (56.1) |
174 (39.5) |
1.93 (1.33-2.80) |
1.87 (1.27-2.77) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
会食や飲み会、カフェ利用等のマスク着用状況と感染リスク
また、会食や飲み会・カフェでのマスク着用と感染の関連についても検討するため、それぞれ飲み会・会食に参加・カフェ利用を一度も行っていない者を参照項とする感染のオッズを検討した。
自身が食事や飲み物を口に運ぶとき以外つけていた者では調整オッズ比が0.98 (0.57-1.71)、食事や飲み物が提供されたタイミングで外した者では1.38 (0.93-2.06)、つけていなかった・席について外した者では3.92 (2.31-6.64)であった(表5(a))。
同席者が食事や飲み物を口に運ぶとき以外つけていた者では調整オッズ比が0.96 (0.51-1.78)、食事や飲み物が提供されたタイミングで外した者では1.23 (0.82-1.85)、つけていなかった・席について外した者では3.84 (2.33-6.31)であった(表5(b))。
表5.会食・飲み会・カフェ利用時のマスク着用に関連した感染のオッズ比
(a) 会食・カフェでの自身のマスク着用状況
検査 (n=237) n (%) |
検査 (n=455) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
会食/飲み会参加・カフェ利用なし |
62 (26.2) |
168 (36.9) |
1 |
1 |
食事や飲み物を口に運ぶとき以外つけていた |
25 (10.5) |
69 (15.2) |
0.98 (0.56-1.68) |
0.98 (0.57-1.71) |
食事や飲み物が提供されたタイミングで外した |
95 (40.1) |
181 (39.8) |
1.42 (0.97-2.09) |
1.38 (0.93-2.06) |
つけていなかった・席について外した |
55 (23.2) |
37 (8.13) |
4.03 (2.43-6.74) |
3.92 (2.31-6.64) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
(b) 会食・カフェでの同席者のマスク着用状況
検査 (n=228) n (%) |
検査 (n=447) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
会食/飲み会参加・カフェ利用なし |
62 (27.2) |
168 (37.6) |
1 |
1 |
食事や飲み物を口に運ぶとき以外つけていた |
18 (7.9) |
50 (11.2) |
0.98 (0.53-1.80) |
0.96 (0.51-1.78) |
食事や飲み物が提供されたタイミングで外した |
85 (37.3) |
185 (41.4) |
1.24 (0.84-1.84) |
1.23 (0.82-1.85) |
つけていなかった・席について外した |
63 (27.6) |
44 (9.8) |
3.88 (2.39-6.29) |
3.84 (2.33-6.31) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
マスクの種類に関連したリスク因子
不織布マスクを着用していた者を参照項とする調整オッズ比は、布/ガーゼマスクを着用していた者では1.45 (0.95-2.22)、ウレタンマスクを着用していた者では1.66 (1.08-2.54)であった(表6(a))。この関係は、会食歴があるものに限定した際により強くなった(布/ガーゼマスク:1.82 (1.07-3.08)、ウレタンマスク:1.87 (1.10-3.18))(表6(b-c))。
表6.マスクの種類に関連した感染のオッズ比
(a) 全体
検査 (n=232) n (%) |
検査 (n=474) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
不織布マスク |
130 (56.0) |
327 (69.0) |
1 |
1 |
布/ガーゼマスク |
50 (21.6) |
79 (16.7) |
1.59 (1.06-2.39) |
1.45 (0.95-2.22) |
ウレタンマスク |
51 (22.0) |
68 (14.3) |
1.89 (1.24-2.86) |
1.66 (1.08-2.54) |
ほぼマスクをしなかった |
1 (0.4) |
0 (0.0) |
N/A† |
N/A† |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
†陰性例の曝露ありが0例
(b) 会食歴ありに限定
検査 (n=163) n (%) |
検査 (n=266) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
不織布マスク |
88 (54.0) |
187 (70.3) |
1 |
1 |
布/ガーゼマスク |
36 (22.1) |
40 (15.0) |
1.91 (1.14-3.21) |
1.82 (1.07-3.08) |
ウレタンマスク |
38 (23.3) |
39 (14.7) |
2.07 (1.24-3.46) |
1.87 (1.10-3.18) |
マスクなし |
1 (0.6) |
0 (0.0) |
N/A† |
N/A† |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
†陰性例の曝露ありが0例
(c) 会食歴なしに限定
検査 (n=64) n (%) |
検査 (n=196) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
不織布マスク |
39 (60.9) |
134 (68.4) |
1 |
1 |
布/ガーゼマスク |
13 (20.3) |
35 (17.9) |
1.28 (0.62-2.65) |
1.07 (0.49-2.32) |
ウレタンマスク |
12 (18.8) |
27 (13.8) |
1.53 (0.71-3.29) |
1.43 (0.64-3.18) |
マスクなし |
0 (0.0) |
0 (0.0) |
N/A† |
N/A† |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
†曝露ありが0例
その他の行動歴と感染リスク
その他の行動歴と感染の関連についても検討するため、それぞれの行動歴がない者を参照項とする感染のオッズを検討した。
屋内イベント等の集まりに参加した者では調整オッズ比が1.80 (0.79-4.11)、屋外イベント等の集まりに参加した者では1.31 (0.49-3.53)、デパートやショッピングセンターを訪問した者では0.73 (0.52-1.02)、2人以上でのカラオケに行った者では9.32 (1.08-80.7)、スポーツジムに行った者では1.52 (0.89-2.58)であった(表7)。
表7.会食以外の行動歴に関連した感染のオッズ比
検査 n (%) |
検査 n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
屋内イベント等の集まり†参加 |
12/233 (5.2) |
12/455 (2.6) |
2.00 (0.87-4.53) |
1.80 (0.79-4.11) |
屋外イベント等の集まり†参加 |
7/233 (3.0) |
10/448 (2.2) |
1.36 (0.51-3.61) |
1.31 (0.49-3.53) |
デパートやショッピング |
72/240 (30.0) |
172/469 (36.7) |
0.74 (0.53-1.03) |
0.73 (0.52-1.02) |
2人以上でのカラオケ |
5/243 (2.1) |
1/467 (0.2) |
9.79 (1.14-84.3) |
9.32 (1.08-80.7) |
スポーツジム |
28/246 (11.4) |
37/466 (7.9) |
1.49 (0.89-2.50) |
1.52 (0.89-2.58) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
†集まりはイベント・集会・レジャー・部活・サークル等
就業・就学と感染リスク
次に就業・就学と感染の関連について検討した。
就業・就学している者は、していない者と比較して調整オッズ比は0.84 (0.53-1.33)であった。
より詳細に就業・就学状況と感染のオッズを検討するために、就業・就学している者に限定して解析を行った。まず、フルタイム(週5日以上・終日)で働いている者はパートタイムで働いている者と比較して、調整オッズ比は1.29 (0.78-2.13)であった。電車通勤をしている者は、その他の通勤手段の者と比較して、調整オッズ比は0.83 (0.58-1.19)であった(表8(a))。
テレワーク・オンライン授業の程度については、それぞれテレワーク・オンライン授業を行っていない者を参照項とする感染のオッズを検討したところ、25%程度で調整オッズ比は1.37 (0.83-2.26)、50%程度で0.70 (0.40-1.23)、75%程度で1.35 (0.79-2.32)、ほぼ100%程度で0.89 (0.52-1.54)であった(表8(b))。
表8.就業・就学に関連した感染のオッズ比
(a) 就業・就学の有無、勤務時間、通勤
検査 n (%) |
検査 n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
就業・就学している |
222/254 (87.4) |
414/491 (84.3) |
1.29 (0.83-2.01) |
0.84 (0.53-1.33) |
フルタイム |
189/215 (87.9) |
344/407 (84.5) |
1.33 (0.82-2.17) |
1.29 (0.78-2.13) |
電車通勤† |
144/222 (64.9) |
285/414 (68.8) |
0.84 (0.59-1.18) |
0.83 (0.58-1.19) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
†就学・就業ありに限定して解析
(b) 個々のテレワークの実施状況*
検査 (n=215) n (%) |
検査 (n=405) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比† (95%信頼区間) |
|
テレワークやオンライン授業を行っていない |
107 (49.8) |
201 (49.6) |
1 |
1 |
25%程度行っている |
35 (16.3) |
49 (12.1) |
1.34 (0.82-2.20) |
1.37 (0.83-2.26) |
50%程度行っている |
21 (9.8) |
57 (14.1) |
0.69 (0.40-1.20) |
0.70 (0.40-1.23) |
75%程度行っている |
28 (13.0) |
42 (10.4) |
1.25 (0.74-2.13) |
1.35 (0.79-2.32) |
100%程度行っている |
24 (11.2) |
56 (13.8) |
0.81 (0.47-1.37) |
0.89 (0.52-1.54) |
*就学・就業ありに限定して解析
†年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
移動と感染リスク
最後に移動と感染の関連についても検討した。
都心に行く機会がなかった者を参照項とする感染のオッズは、都心に行った者で1.79 (0.89-3.60)、都心に住んでいる者で2.09 (1.00-4.37)であった(表9(a))。旅行に行かなかった者を参照項とする感染のオッズは、出張で行った者で0.96 (0.32-2.84)、出張以外で行った者で1.64 (0.74-3.65)であった(表9(b))。
表9.移動に関連した感染のオッズ比
(a) 都心*への行き来
検査 (n=246) n (%) |
検査 (n=482) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比† (95%信頼区間) |
|
都心に行く機会はなかった |
15 (6.1) |
54 (11.2) |
1 |
1 |
都心に行った |
58 (23.6) |
114 (23.7) |
1.83 (0.95-3.52) |
1.79 (0.89-3.60) |
都心に住んでいる |
173 (70.3) |
314 (65.1) |
1.98 (1.08-3.62) |
2.09 (1.00-4.37) |
*各都道府県の主要都市・主要駅等の周辺
†年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
(b) 旅行
検査 (n=234) n (%) |
検査 (n=430) n (%) |
オッズ比 (95%信頼区間) |
調整オッズ比* (95%信頼区間) |
|
行っていない |
217 (92.7) |
404 (94.0) |
1 |
1 |
出張で行った |
5 (2.1) |
12 (2.8) |
0.78 (0.27-2.23) |
0.96 (0.32-2.84) |
出張以外で行った |
12 (5.1) |
14 (3.3) |
1.60 (0.73-3.51) |
1.64 (0.74-3.65) |
*年齢、性別、基礎疾患の有無、医療機関で調整
考察
本報告では、前回のパイロット調査の暫定報告同様、会食、特に飲酒を伴う会食への参加が引き続き感染のオッズが有意に高かった。会食・飲み会に参加しなかった者と比較して、会食・飲み会に参加した者では、量反応関係を伴って感染のオッズが高かった。ただし、飲酒を伴う場合は1回でも高いオッズであった。また、今回は自宅における同居者以外との会食や飲み会等について分けて尋ねており、レストラン・バー・居酒屋などでの飲み会・会食は感染のオッズが高いが、レストラン・バー・居酒屋などでの飲み会・会食に参加していなくても、自宅における同居者以外との会食や飲み会等への参加もリスク因子であることが示された。さらに、路上や公園での飲み会・会食に参加した者は、統計学的に有意ではないが感染のオッズが高い傾向にあった。いずれの状況でも、昼よりも夕方・夜の飲み会・会食において感染のオッズが高かった。これは昼よりも夜のほうが滞在時間が長く、酔いの程度も大きいことが影響している可能性がある。
なお、パイロット調査時よりもこれらのオッズ比の点推定値は低下しているが、前回の信頼区間の範囲内にあり結果は矛盾していない。サンプルサイズが増えたことに伴って信頼区間も狭くなり、より確証の高い結果となっている。ただし、本調査では飲み会や会食の定義を2名以上と定義(前回は3名以上)したこと、主に1回以上会食等に参加した者の感染のオッズを算出したこと、デルタ株への置き換わりが進んでいたこと、協力医療機関が増えたこと、東京では4回目の緊急事態宣言にもかかわらず感染者数が収まっておらず、リスク行動をとる者自体が増加した可能性があることなどから、パイロット調査と直接の比較は困難である。
一方で、カフェや喫茶店、食事配達、テイクアウトの利用、1人での外食は明らかなリスク因子ではなかった。これらは1人ないし少人数で日中に食事をすることが感染のリスクを上昇させない可能性を示唆する。
会食や飲み会、食事様式、カフェ利用等の様子に関連した検討では、最大同席人数は自身を含めて5人以上で感染のオッズが高く、最大滞在時間は2時間以上の場合オッズが高かった。
会食/飲み会参加・カフェ利用がない者と比較して、食事や飲み物を口に運ぶとき以外つけていた者は感染のオッズは変わらなかったが、食事や飲み物が提供されたタイミングで外した者では統計学的に有意ではないものの若干高い傾向を認め、マスクを着用していなかった・席についてマスクを外した者では、極めて高いオッズを示した。同席者のマスク着用状況においても同様の傾向がみられ、食事や飲み物を口に運ぶとき以外お互いにマスクを着用すること(もしくは食事中は話をしないこと)の重要性を示す結果となった。
最後に不織布マスクを着用していた者と比較して、布/ガーゼマスクやウレタンマスクを着用していた者は感染のオッズが高かった。この関係は、会食歴があるものに限定した際により強くなったことから、特にハイリスクな場面での不織布マスク着用の重要性を示す結果となった。ただし、会食や飲み会の時間など、他の要素による交絡の可能性もある。
本調査では、デパートやショッピングセンター訪問においては、感染のオッズの上昇は認めなかったが、2人以上のカラオケに行った者は6人しかいなかったものの、うち5名が陽性であった。スポーツジムの利用についても統計学的に有意ではないが高い傾向を認めた。
就業・就学については、就業・就学の有無、フルタイムかパートタイムか、電車通勤かどうかで感染のオッズは大きく変わらなかった。テレワーク・オンライン授業の実施状況についても、明確な傾向はみられなかった。
都心に住んでいる者や都心に行った者では感染のオッズが高く、これは地域による流行状況の違いを反映している可能性があると考えられる。旅行については出張以外で行った場合に若干高い傾向にあったが、統計学的に有意ではなかった。
感染のリスクは単一ではなく、一つの感染対策で十分というものも存在しないため、本報告等を踏まえて、流行状況に応じて政府・自治体の要請に応じた感染対策を遵守し、感染リスクの高い行動を極力避け、ワクチン接種を検討し、複合的に感染リスクを下げることが重要である。
制限
本調査および報告においては少なくとも以下の制限がある。まず、交絡因子、思い出しバイアス、誤分類等の観察研究に伴うバイアスの影響を否定できない。社会的望ましさバイアスの影響もあり得るが、対象者は検査結果の判明前にアンケートを記載しており、陽性である者がハイリスクと考える行動を、より報告しやすい傾向にある、またはしにくい傾向にあるといったバイアスは避けることが可能となっている。2つ目の制限として、対照群が受診する理由は他の呼吸器感染症含め不明であり、リスクを過小または過大評価する可能性がある。例えば、新型コロナウイルス感染のリスクと(対照群で認める)他の呼吸器ウイルス感染のリスクの効果量が同程度である場合はオッズの違いとして探知できない3。このことから別の対照群の追加設定も検討されるが3、本研究では実施していない。ただし、インフルエンザなど他の多くの呼吸器ウイルス感染症が低レベルであるにも関わらず6、新型コロナウイルスの流行は抑制が困難であることから、新型コロナウイルス感染に特異的なリスクについては、検出可能であると考える。3つ目の制限として、本報告では欠損値(最大13%(最大同席人数の欠損値))を除外して解析している。4つ目の制限として、調査期間においては、アルファ株からデルタ株の置き換わり期であったが、本調査における個々の陽性例についてウイルスゲノム解析を実施していない。そのため、変異株によってリスク因子に違いがあるかどうかについては不明である。5つ目の制限として、東京都の医療機関における調査であり、他の道府県において一般化できない可能性は否定できない。6つ目の制限として、本報告ではワクチンを接種していない者に限定して解析しており、ワクチン接種済みの者においてはリスク因子が変わる可能性がある。最後に、本報告は6-7月分の暫定的な解析結果である。今後の流行・対策状況の変化、変異株の影響等によって結果が変わる可能性がある。
参考文献
- Fisher KA, Tenforde MW, Feldstein LR, et al. Community and close contact exposures associated with COVID-19 among symptomatic adults ≥18 years in 11 outpatient health care facilities - United States, July 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020;69(36):1258-1264. doi:10.15585/mmwr.mm6936a5.
- Fisher KA, Olson SM, Tenforde MW, et al. Telework before illness onset among symptomatic adults aged ≥18 years with and without COVID-19 in 11 outpatient health care facilities - United States, July 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020;69(44):1648-1653. doi:10.15585/mmwr.mm6944a4.
- Vandenbroucke JP, Brickley EB, Vandenbroucke-Grauls CMJE, Pearce N. A Test-Negative Design with Additional Population Controls Can Be Used to Rapidly Study Causes of the SARS-CoV-2 Epidemic. Epidemiology. 2020;31(6):836-843. doi:10.1097/EDE.0000000000001251
- 厚生労働省.アドバイザリーボード資料:新型コロナウイルス感染症の社会行動リスク解析:パイロット調査の暫定報告.https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000807662.pdf
- 厚生労働省.アドバイザリーボード資料:SARS-CoV-2陽性検体に占めるL452R変異の割合.https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000823689.pdf
- 国立感染症研究所.IDWR 2021年第11号<注目すべき感染症> 直近の新型コロナウイルス感染症およびインフルエンザの状況.https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2487-idsc/idwr-topic/10272-idwrc-2111.html
注意事項
迅速な情報共有を⽬的とした資料であり、内容や⾒解は知見の更新によって変わる可能性がある。
国立感染症研究所 感染症疫学センター 新城雄士 有馬雄三 鈴木基
クリニックフォア田町* 村丘寛和
KARADA内科クリニック* 佐藤昭裕
公立昭和病院* 大場邦弘
聖路加国際病院* 上原由紀 有岡宏子
国際医療福祉大学成田病院 加藤康幸
埼玉医科大学総合医療センター 岡秀昭 西田裕介
埼玉石心会病院 石井耕士 大木孝夫
新宿ホームクリニック 名倉義人
日本赤十字社医療センター 上田晃弘
複十字病院 野内英樹
横浜市立大学付属病院 加藤英明
(公表可能な医療機関のみ;*今回の解析の主医療機関)
更新履歴
2021/10/6 第1版公開
2021/10/11 第2版公開:表6(a)で「検査陰性者」における値の記載順に誤りがあったため修正した。具体的には、不織布マスク79 (16.7%)、布/ガーゼマスク68 (14.3)、ウレタンマスク327 (69.0)となっているところを、不織布マスク327 (69.0)、布/ガーゼマスク79 (16.7)、ウレタンマスク68 (14.3)に修正した。また、表9(a)で値の記載順に誤りがあったため、修正した。具体的には、「都心に行った」の行と「都心に住んでいる」の行の値が(検査陽性者と検査陰性者の列において)逆になっていたため修正した。いずれにおいても、これによりオッズ比などその他の結果に変更・影響はない。