国立感染症研究所
(掲載日:2022年3月20日)

2022年2月10日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(1)で、5~11歳の小児に対しても予防接種法に基づく特例臨時接種として実施される方針が決まり(努力義務の適用は除外)、2022年2月21日の省令改正で、5~11歳用のファイザー製新型コロナワクチンの接種が可能となりました。2022年3月13日現在、国内ではファイザー製(12歳以上用、5~11歳用)、武田/モデルナ製、アストラゼネカ製の4種類の新型コロナワクチン(以下、ワクチン)が使用されています。 2021年12月1日から、18歳以上の者を対象としてファイザー製ワクチンによる追加接種(3回目接種)が始まり、2021年12月17日からは、武田/モデルナ製ワクチンも追加接種(3回目接種)可能となりました。2022年3月13日現在、2種類のワクチンが追加接種に使用されています。初回接種で使用したワクチンとは異なる種類のワクチンで追加接種すること(交互接種)も可能です。

2022年3月11日現在の国内での総接種回数は2億3,805万214回で、このうち高齢者( 65歳以上 )は9,033万7,971回、職域接種は1,977万3,546回、小児は2万3,158回でした。2022年3月10日時点の1回以上接種率は全人口(1億1,461万7,716人: 令和3年1月1日現在の住民基本台帳に基づくもの )の80.4%、2回接種完了率は79.3%、3回接種完了率は28.3%でした。また、高齢者の1回以上接種率は、65歳以上人口(3,576万7,994 人: 令和3年1月1日現在の住民基本台帳に基づくもの)の92.7%、2回接種完了率は92.4%、3回接種完了率は67.4%でした。

2022年3月7日公表時点の年代別接種回数別被接種者数と接種率/接種完了率( 図1 )を示します。また、新規感染者数と累積接種割合についてまとめました( 図2 )。

図1 年代別接種回数別被接種者数・接種率/接種完了率(首相官邸ホームページ公表数値より作図):2022年 3月 7日公表時点

注)被接種者の年齢分布は、ワクチン接種記録システム(VRS)に報告済みのデータのみにより把握可能なため、接種率の算出においては、VRSへ報告された、一般接種(高齢者を含む)と先行接種対象者(接種券付き予診票で接種を行った優先接種者)の合計回数が使用されています。使用回数には、首相官邸HPで公表している総接種回数のうち、職域接種及び先行接種対象者のVRS未入力分である約100万回分程度が含まれていません。年齢階級別人口は、総務省が公表している「令和3年住民基本台帳年齢階級別人口(市区町村別)」のうち、各市区町村の性別及び年代階級の数字を集計したものを利用し、12~19歳人口は10~14歳人口を5分の3したものに、15~19歳人口を加えたものが使用されています。

図2 日本_新規感染者数および新規死亡者数と累積接種割合の推移 [データ範囲:2020年1月22日~2022年3月7日]下記データより作図.Roser M, Ritchie H, Ortiz-Ospina E and Hasell J. (2020) - "Coronavirus Pandemic (COVID-19)". Published online at OurWorldInData.org. Retrieved from: 'https://ourworldindata.org/coronavirus' [Online Resource](閲覧日2022年3月9日)

参考文献

  1. 厚生労働省:第30回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000192554_00019.html(閲覧日2022年3月13日)

今回は、下記の内容について、最近のトピックスをまとめました。

【本項の内容】
  • 海外のワクチン接種の進捗と感染状況の推移・・・・・・・・・ 3
  • ワクチン既接種者からの二次感染予防効果・・・・・・・・・・ 9
  • Long COVIDに対するワクチン効果・・・・・・・・・・・・・ 11
  • 母体へのワクチン接種による出生児への効果について・・・・・ 13
  • オミクロン株出現後の小児におけるファイザー製ワクチンの有効性の変化・・・・・・ 15

新型コロナワクチンについて ( 2022 年3月13日現在 )

 

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