国立感染症研究所
(掲載日:2022年4月27日)
【背景・目的】
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)においては、無症状病原体保有者の存在などから全ての感染者が診断されないため、これまでに診断された症例の累積報告数よりも実際の累積感染者数が多い可能性が指摘されている。また、2021年2 月降、我が国においても新型コロナワクチンの接種が開始され広く普及しているが、一般人口においてワクチン接種により誘導された抗体の保有状況は調査されていない。
そこで、厚生労働省と国立感染症研究所では、我が国における新型コロナウイルス感染症の疾病負荷の把握と新型コロナワクチン接種で誘導された抗体の保有状況を検討することを目的として、5 都府県をおいて大規模な血清疫学調査を実施している。ワクチン接種が開始される以前の2020年6月および2020年12 月に実施された第1回・第2 回の血清疫学調査では、いずれの都府県においても極めて低い抗体保有割合に留まり、これらの調査時点では、諸外国と比較して我が国においては新型コロナウイルス感染症の疾病負荷が低いことが示唆された。本報告書では、2021年12月および2022年2 月に実施された第3回・第4 回の血清疫学調査の結果を示す。
続きを読む: 2021 年度新型コロナウイルス感染症に対する血清疫学調査報告