(IASR Vol. 39 p83-84: 2018年5月号)
腸管出血性大腸菌(EHEC)感染による重症例である溶血性尿毒症症候群(HUS)は国内で年間100例前後報告されている(本号12ページ参照)。このうち, EHECが分離されない事例は2006~2017年までの平均でおよそ34%であり, これらの症例では患者便中の志賀毒素の検出または患者血清中の抗大腸菌(O157, O26, O111, O121, O145, O165, O103等の重症例に多いO群) に対する凝集抗体陽性でEHECによるHUS症例の確定診断とされている。