(IASR Vol. 40 p192-194:2019年11月号)
インフルエンザの社会的インパクトを評価するにあたって, 重症化の指標として死亡者数が重要である。世界保健機関(WHO)はインフルエンザの流行によってもたらされた死亡の増加を, インフルエンザの「社会的インパクト」の指標とする「超過死亡(excess death, excess mortality)」の概念1)を提唱している。これは直接的, 間接的を問わず, インフルエンザ流行がなければ回避できたであろう死亡者数を意味する。わが国においては, 日本の現状に応じたモデルとして2種類, 全国と大都市(特別区および政令指定都市)で把握されている2-4)。