IASR-logo

海外の麻疹―2019年の流行状況について

(IASR Vol. 41 p59-60: 2020年4月号)

世界保健機関(WHO)は, 分類する6地域のうち, 少なくとも5地域において麻疹・風疹を排除することを本年2020年までの目標に掲げている。しかしながら, 昨年2019年における症例報告数は未だ519,490例もあり流行が継続している1)。麻疹ウイルスは24の遺伝子型に分かれているが, 現在は世界的にみてB3およびD8の2種の遺伝子型が症例の大多数を占めており, ウイルスの遺伝子型のみで各国における土着株であるかの判別は難しい状況にあると考えられる。本稿では2019年の6地域における麻疹流行状況およびその遺伝子型について報告する。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan